エッシャーのだまし絵みたいな歩道橋があった

2017/03/09 11:00 

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ロマンの木曜日
 

エッシャーのだまし絵みたいな歩道橋があった

実在の歩道橋です実在の歩道橋です
実在の歩道橋です実在の歩道橋です
エッシャーのだまし絵を彷彿とさせる歩道橋を見つけた。ほかにも、三段式スイッチバックのような歩道橋や、ループ状の歩道橋など、計六ヶ所の個性的な歩道橋を巡ってきたので、その良さを紹介したい。
(斎藤公輔)

歩道橋を観察する

歩道橋に上るのが好きだ。まわりの人に意見を聞くと、「わざわざ高いところまで上るのが面倒」と感じている人も多い。しかし私にすれば、道路を渡る必要がなくても、とりあえず歩道橋には上っておきたい。「歩道橋から見える景色は、歩道橋からしか見えない景色である」と、思わず格言めいたことも言いたくなる。

デイリーポータルZでは、過去に大山顕さんが歩道橋鑑賞の記事を書かれている。これを読みながら、やっぱり歩道橋いいよなあ、もっといい歩道橋はないだろうか、などとあれこれ考えながら地図を眺めていたある日、妙に気になる歩道橋らしきものを発見した。
ストリートビューに切り替えても、どういう構造なのか全貌が掴めない。ネットで調べても、言及している記事などは見つけられなかった。
歩道橋のことを想っていたら、歩道橋の方から歩み寄ってくれたのかもしれない。これは行って確かめてみなくては。

その名は「西の庄歩道橋」

場所は大阪府の北部にある吹田市。工場見学で有名な、アサヒビール吹田工場のすぐ近くにある。
遠景。現物を見ても、やっぱりどうなってるのかよく分からない
遠景。現物を見ても、やっぱりどうなってるのかよく分からない
構造を見ていく前に、この歩道橋には「階段」と「スロープ」の2ルートが用意されている点を押さえておきたい。上の写真を見ると、左に階段、右にスロープの入口が見えるだろう。

端的に言うと「歩行者用」と「自転車用」なのだが、両者にとって最適な勾配が違うため、わざわざルートを分けているのだ。それを少ない土地に押し込んであるので、こんな妙な形になっている。でもまあ、そんな理屈はどうでもいい。いまはこの素敵な歩道橋に身を委ねたい。
なんとかその構造を伝えるため、順を追って観察していきたい。まずは歩道橋の上に立ったところからスタート。真っ直ぐ行くと階段ルート、右に行くとスロープルートとなる
なんとかその構造を伝えるため、順を追って観察していきたい。まずは歩道橋の上に立ったところからスタート。真っ直ぐ行くと階段ルート、右に行くとスロープルートとなる
最初は階段ルートを選択。前進して階段を降り始めると、さっそく目線の先に別のルートが見える。こうなると、途端に頭が混乱してくる
最初は階段ルートを選択。前進して階段を降り始めると、さっそく目線の先に別のルートが見える。こうなると、途端に頭が混乱してくる
踊り場で右を向くとこの光景。スロープが斜めに通っていて、ゲームだとジャンプして飛び移ったりできそうな位置にある(もちろん現実にはできない)
踊り場で右を向くとこの光景。スロープが斜めに通っていて、ゲームだとジャンプして飛び移ったりできそうな位置にある(もちろん現実にはできない)
そのあともう一度右にターンすると、地上の歩道が見える。ここだけ見ると、まあ普通の歩道橋だと思えなくもないが、
そのあともう一度右にターンすると、地上の歩道が見える。ここだけ見ると、まあ普通の歩道橋だと思えなくもないが、
後ろを振り返ると、いま通って来た階段とは別の通路が頭上にあって、これは一体どうなってるんだと、また頭が混乱してくる
後ろを振り返ると、いま通って来た階段とは別の通路が頭上にあって、これは一体どうなってるんだと、また頭が混乱してくる
ここでもう一度、歩道橋の上に戻ろう。次は右のスロープルートを攻める
ここでもう一度、歩道橋の上に戻ろう。次は右のスロープルートを攻める
最初の角を左に曲がったスロープ途中の、この場所! 個人的には一番の絶景ポイント。階段とスロープが絶妙にかみ合わさって、無限回廊を思わせる立体構造になっている
最初の角を左に曲がったスロープ途中の、この場所! 個人的には一番の絶景ポイント。階段とスロープが絶妙にかみ合わさって、無限回廊を思わせる立体構造になっている
階段ルートの方に振り返ると見える景色がこれ。階段を降りているときには気にならなかったが、こうして俯瞰してみるとグネグネしていて見応えがある
階段ルートの方に振り返ると見える景色がこれ。階段を降りているときには気にならなかったが、こうして俯瞰してみるとグネグネしていて見応えがある
そのまま弧を描くようにゆるりとスロープを下ったあとは、
そのまま弧を描くようにゆるりとスロープを下ったあとは、
吸い込まれるように隙間へと入っていく。窮屈になっているこの感じ、良すぎる
吸い込まれるように隙間へと入っていく。窮屈になっているこの感じ、良すぎる
隙間に入ると日の当たらない影の世界へと突入するが、角を曲がって歩道が見えると一転、目の前がパーッと明るくなる。これは演出なのか何なのか(たぶん違う)
隙間に入ると日の当たらない影の世界へと突入するが、角を曲がって歩道が見えると一転、目の前がパーッと明るくなる。これは演出なのか何なのか(たぶん違う)
そうして、階段ルートの横から出てきてフィニッシュ
そうして、階段ルートの横から出てきてフィニッシュ
改めて全貌を見てみると……やっぱり凄まじい迫力
改めて全貌を見てみると……やっぱり凄まじい迫力
歩道橋エリアの外からもじっくり鑑賞する。フェンスもあるし、こうして見ると遊園地のアトラクションみたいに思えてくる
歩道橋エリアの外からもじっくり鑑賞する。フェンスもあるし、こうして見ると遊園地のアトラクションみたいに思えてくる
と、ここまで「西の庄歩道橋」の構造を一通り見てみたけれど、何か忘れてないだろうか……そう、歩道橋には「対岸」があるのだ。これで終わりではないのだ。

歩道橋を渡ったその先に

というわけで、道路を挟んだ向かい側にある構造がこちら。なんだよ、なんでこんなに良い形なんだよ
というわけで、道路を挟んだ向かい側にある構造がこちら。なんだよ、なんでこんなに良い形なんだよ
昇降口は、先ほどと同じく右に「スロープ」、左に「階段」という構造になっている。隙間を縫うように生えている木がチャームポイント
昇降口は、先ほどと同じく右に「スロープ」、左に「階段」という構造になっている。隙間を縫うように生えている木がチャームポイント
スロープを上っていくことにする。振り返ると、このような絶景が見られる
スロープを上っていくことにする。振り返ると、このような絶景が見られる
間近に民家が迫っているため、それを避けるように(挟み込むように?)歩道橋が作られている。このがんばって作った感がたまらなく良い
間近に民家が迫っているため、それを避けるように(挟み込むように?)歩道橋が作られている。このがんばって作った感がたまらなく良い
上りきったところがこちら。ルート自体は対岸のややこしさに比べるとあっさりしているが、土地の形状が特殊なため、離れて見るとやはり無限回廊的な立体構造が楽しめる
上りきったところがこちら。ルート自体は対岸のややこしさに比べるとあっさりしているが、土地の形状が特殊なため、離れて見るとやはり無限回廊的な立体構造が楽しめる
下から眺めてみると、この迫力である。
下から眺めてみると、この迫力である。
歩道橋全体をなんとか一枚の写真に収めようとがんばってみたが、これが限界だった。歩道橋を見るための歩道橋が欲しい
歩道橋全体をなんとか一枚の写真に収めようとがんばってみたが、これが限界だった。歩道橋を見るための歩道橋が欲しい
そんなわけで、異様な興奮に満ちた「西の庄歩道橋」探訪であった
そんなわけで、異様な興奮に満ちた「西の庄歩道橋」探訪であった
歩道橋すごいな、と改めて実感したので、その足で近場にある気になる歩道橋も巡ってみることにした。この興奮冷めやらぬ間に、次ページへ急げ!
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@nifty

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