夜行快速「ムーンライトながら」の楽しみ方

2017/08/04 11:00 

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ちしきの金曜日
 

夜行快速「ムーンライトながら」の楽しみ方

夜行快速がやってきた。
夜行快速がやってきた。
東京を夜出て岐阜の大垣に次の日の朝に着く「夜行快速ムーンライトながら」という列車がある。

いろいろあって乗ることができたのでレポートします。
(安藤昌教)

乗る前からすでに旅は始まっている

東京を夜の11時ごろ出て翌朝岐阜の大垣に着く夜行快速「ムーンライトながら」という列車がある。

東京から岐阜までだと新幹線を使えば2~3時間で着く。そこをあえて6時間以上かけて夜通し走る夜行快速に、人はなぜ乗るのか。乗ってみてわかったのだけれど、その答えは「楽しいから」である、これに尽きる。

どう楽しいのか、ちょっと説明させてください。

夜行列車の楽しさその1:本選び

まずは準備編である。本を選ぼう。

いきなり電車と関係ない話で恐縮だが、夜通し電車に乗るわけだ、本がないとまずい。時間をつぶすならスマホでもいいのでは、と思う人も多いだろう。しかし夜行列車に乗る前の本選びほど楽しいものはないので、だまされたと思って本屋さんへ行ってみてほしい。

いま22時です。
いま22時です。
いつもは仕事が終わると、とくにそのあと家でなにかあるわけでもないのにさっさと帰るだろう。だけど今日は違う、これから夜通し電車に乗るからそこで読む本をさがすのだ。この贅沢ったらない。

21時ごろから、まだ開いている本屋さんへ行ってたっぷり1時間以上かけて本を選んだ。もうこれだけでじゅうぶん元はとれた気分である。そう、夜行快速の楽しさは乗る前から始まっているのだ。

夜行列車の楽しさその2:食料選び

今回乗る夜行列車には食堂車両や車内販売がない。途中いくつかの駅には止まるが、なにしろ夜なのでホームに自動販売機があればいいほうだろう。ということは、乗る前に食料を確保しておかなくてはいけないのだ。これがまた楽しい。

一点、注意したいのは、23時過ぎの乗車時刻に合わせて買い物をしようとすると、東京駅の売店がのきなみ閉まっていること。
22時半。やばい、駅弁売ってない!
22時半。やばい、駅弁売ってない!
コンビニもこのくらいの時間になるとこんな感じ。
コンビニもこのくらいの時間になるとこんな感じ。
夜行列車といえば駅弁しか考えられない、みたいなこだわり派の人はぜひ時間に余裕をもって駅に来てもらうか、事前に用意しておくことをおすすめする。僕はまったくそういうこだわりがないのでコンビニで好きなものを買い込んだ。
会社終わりに発泡酒のロング缶と氷結を両方買って電車に乗ることがこの先の人生に何度あるだろうか。今日はとくべつなのだ。
会社終わりに発泡酒のロング缶と氷結を両方買って電車に乗ることがこの先の人生に何度あるだろうか。今日はとくべつなのだ。
買い物が終わったらおもむろにホームへと向かう。

この時間、駅にいる人達はみな終電を気にしながら早足で歩いている。そんな中、僕はまさにこれからなので、にやにやしながらゆっくりとホームへと向かう。この何とも言えない優越感、もうしわけなさを差し引いても余りある。
みなさん、すみません!
みなさん、すみません!

夜行列車の楽しさその3:旅の友

旅に道連れは必要である。今回はこの人と一緒だ。
(いい意味で)フラフラおじさんことライター西村さん。
(いい意味で)フラフラおじさんことライター西村さん。
ホームに夏休みっぽい人いるな、と思ったら今回の同行者の西村さんだった。僕と同じくコンビニ袋をぶらさげている。
「安藤さん、買いすぎでしょう」「いやいや、西村さんだって同じようなもんでしょう」楽しい。
「安藤さん、買いすぎでしょう」「いやいや、西村さんだって同じようなもんでしょう」楽しい。
西村さんはこれまでにもふらっと中国へ新幹線に乗りに行ったり韓国へ路線図を見に行ったりと、遠い近い関係なく行きたいところには行く人である。今回の企画でこれ以上頼もしい道連れもいないだろう。

そんな西村さん、時刻表を持ってきているからさすがである。今回の夜行快速はすでに僕の方で予約してあるし、時間も行き先も決まっているはずなのに、これ以上何を調べるというのか。
「いや、単に見るのが好きなんです」。
「いや、単に見るのが好きなんです」。
時刻表によると23時10分に東京駅を出発した「ムーンライトながら」は5時20分に名古屋に、5時50分に終点大垣に着く予定である。僕たちはもちろん始発から終点まで乗る。

この日の「ムーンライトながら」はすでに満席のようだった。この列車は期間限定の臨時列車で、1ヶ月前から予約ができるのだけれど、ほとんどの日が当日までにうまってしまうらしい。日によっては販売即完もあるというほどの人気なのだ。
満席。
満席。
ところで今回、どうして西村さんと二人で夜行に乗って大垣まで行くことになったのかというと、ある広告企画でこの旅を計画していたからだ。過去形なのはその企画がなくなったから。前述のとおり切符が取りにくいと聞いていたので安全のため前もって予約しておいたのに。

企画なくなっちゃったし西村さんどうしますか、と聞いたところ「え?行きましょうよ」と即答された。一瞬でも躊躇した自分を恥じた。

「いやー、夏休みですねー」「大垣行ったらなにしようかなー」、とおよそ大人とは思えない会話をしているうちに、ホームに列車到着のアナウンスが流れる。ムーンライトがやってきたのだ。
にわかにざわつくホーム。
にわかにざわつくホーム。
来たぞ!
来たぞ!
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@nifty

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