さいて食べるチーズ界が戦国時代に突入か

2017/08/09 18:00 

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はっけんの水曜日
 

さいて食べるチーズ界が戦国時代に突入か

この並びでスーパーで売っていた
この並びでスーパーで売っていた
さいて食べるタイプのチーズといえば、あの真空パック的にパッケージされた雪印メグミルク(以下、雪印)の商品を思い浮かべると思う。そこへ、近年類似の商品が急にぐいぐいと登場していないか。近所のスーパーで全3種類がならんでいたのを見かけたのだ。

さいて食べるチーズというと一見かなりかわっている。ニッチなはずなのだ。しかしある一商品が長きにわたりバカ売れし続けた結果まさかの戦国状態に突入したのである。
(古賀及子)

さいて食べるチーズ界がまさかの事態に

さいて食べるチーズは「さけるチーズ」以外にはないと思っていた(小さなチーズ専門店でちょっと見たことはあるにしろ)。それが長きにわたる平和な私の日常であった。さいて食べるチーズの種類が増えるというのは、すなわち雪印の「さけるチーズ」の味の種類が増えることを指したものである。
意外なフレーバー展開にふるえる
意外なフレーバー展開にふるえる
そこへ急に刺客があらわれた。まず最初にやってきたのが明治「さいておいしいモッツアレラ」だ。
第一の刺客
第一の刺客
全国発売は2016年3月1日。去年の話である。明治といえばビッグネームだ。発売と同時に多くのスーパーに棚がさかれるようになり注目度も高かった。なんかさけるチーズ的やつ出てるやんけ、と思った方も多いのではないか。

パッケージなどを凝視すると、どうもおつまみというよりもおやつ方向へ推している感がある。今回買ったスーパーでは1つ買うとシールのシートが1枚もらえるよう陳列棚に設置してあった。
いろいろとかわいい
いろいろとかわいい
そしてたたみかけてやってきたのがマリンフードというメーカーの「私のストリングモッツァレラ」。こちらは今年2017年の2月ごろ発売されたようだ。
パッケージからしてずいぶん寄せてきている
パッケージからしてずいぶん寄せてきている
パッケージは寄せているものの商品名の方がかなり意欲的である。

そもそもこういったさいて食べるチーズのことを「ストリングチーズ」というそうなのだ。雪印の「さけるチーズ」も1980年の発売当初はこの「ストリングチーズ」という名前で販売していた。「さけるチーズ」と商品名を変更したのは1995年だそうだ。

なのでストレートといえばストレートなネーミングともいえる。しかし「私の」なのである。

「私の」と誰かが主張するとき、そこには「私のだって言ってんでしょ!」「なにいってんのよ! 違うわよ、私のよ!」という争いがいつだって起こるじゃないか。不安だ。
個人的には「プレーン」の表記の寄せ方にもぐっときた
個人的には「プレーン」の表記の寄せ方にもぐっときた

「さけるチーズ」の社内恋愛性

スーパーでこの3商品がまさに三つ巴という状況で並んで販売されていたときには2度見した

このように並ばれると「さけるチーズ」のような大ヒット商品がこれまで別メーカーの商品とシェアを争うことがなかったのはなぜだったのか、そちらのほうが不思議だ。

製法特許については「さけるチーズ」については意外な話を読んだことがある。こちらの記事だ(「さけるチーズ」がもともと好きなので日ごろから記事を探して読んでいる)。特許を取ると製造方法を開示しなければならないからあえて取得しない」という記述がある。

こういう種類の「あえて」が特許をとりまく世界にはあるのかと驚いた。だってそれって社内恋愛をあえて結婚せずに秘密状態のままにしておいてスリルを楽しみ続けるということだろう。

……。

チーズの話を恋愛でたとえてしまったためジャンルが違いすぎてチーズなのに訳ありな感じになってしまった。

チーズをさきたいという思いが多角的に叶えられる

うっかり訳ありの2人の話をしてしまうほど特許にはうといので特許うんぬんはとりあえず置いておこう(特許期限の話などになってくるとややこしい)。

気になるのは3つの違い、そう違いなのだ!

他メーカーの類似商品をそろえて食べ比べてみる。人類に与えられしお楽しみタイムだ。

パッケージからわかっていることとしては原材料については3商品とも際立って違う点はない(チーズなのだからそりゃそうか)。

雪印「さけるチーズ」以外の2商品はどちらも「モッツアレラチーズ」であることを全面的にアピールしており、アメリカで製造されている。
原材料欄の違い、こんなかんじ
原材料欄の違い、こんなかんじ
ちなみに「さけるチーズ」と「私のストリングモッツァレラ」はフィルムのはがし方が微妙に違っていて興奮した
ちなみに「さけるチーズ」と「私のストリングモッツァレラ」はフィルムのはがし方が微妙に違っていて興奮した
ならべたら木琴か鉄琴みたいになった
ならべたら木琴か鉄琴みたいになった
アイデンティティが「さいて食べられる」とトリッキーなのがこの3商品の最大の特徴である。くらべるのであればやはりまずは「さきくらべ」であろう。
「さいておいしいモッツアレラ」
「さいておいしいモッツアレラ」
「私のストリングモッツァレラ」
「私のストリングモッツァレラ」
「さけるチーズ」
「さけるチーズ」
新規参戦勢の2種はやわらかくさきやすい。つまんでひっぱるとふぁっさーとふわふわした部分が出てくるので繊維を、さいている…! というさきの手ごたえがすごかった。

とくに「私のストリングモッツァレラ」は3つのうちで一番長いのでツーッとさけ続ける感覚がある。3商品を並べたときには思わなかったが、長いということはさき続けられるということなのだ。それ、超強みではないか。
そしてファッサーっとなるこのこまかい繊維!
そしてファッサーっとなるこのこまかい繊維!
一方「さけるチーズ」はみなさまご存知かと思うが、意外ととっかかりが難しい。固いところをうまくひっかいて小さく引っ張りださないとブロックで割れてしまうような感覚がある。

さいたときのおもしろさは、以外にも新規参戦勢に強味もあるようだ。

3種3様のさきごこち、というものが確実にある。チーズをさきたいという思いがこんなにも多角的に叶えられる、これが未来か。
さかれた方の本体側の様子もどうぞ
さかれた方の本体側の様子もどうぞ

「さけるチーズ」は「さけるチーズ」という食べ物である

こうして比べて食べてみて「さけるチーズ」がいかにおつまみとしてのパフォーマンスに優れているかを感じざるをえなかった。裂きイカのようなちょっとダシっぽさ。これはウリ文句にもなっているようだが、キュッキュとした食感も珍味のようである。

対しての新規参戦勢は素直に真面目にどこまでも「チーズ」なのだ。

「さいておいしいモッツアレラ」は形状のコンパクトさやかわいらしかったり明けやすく設計されたパッケージもあって、さいて食べることもできるキャンディーチーズというイメージだ。
コンパクトな小分け感がおやつっぽい
コンパクトな小分け感がおやつっぽい
全体的にファンシーでもある
全体的にファンシーでもある
「私のストリングモッツアレラ」はミルクっぽさ、乳! という感じがすごい。良い意味でチーズのくさみみたいなものもある。これも完全にチーズだ。
ミルク感は自らアピールしている
ミルク感は自らアピールしている
あっと思った。

私は「さけるチーズ」をチーズであるとこれまで思ってこなかったのだ。

あれは「さけるチーズ」という食べ物だとしてとらえていたのだ。

チーズをさくにも商品を選ぶ時代がやってきた

わかったことをまとめよう

・雪印「さけるチーズ」は「さけるチーズ」というジャンルの食べ物である。

・「さく」という行為においてマリンフード「私のストリングモッツァレラ」がおもしろい。あと名前もおもしろい。

・あけやすく小ぶり、やわらかくて食べやすいのが明治「さいておいしいモッツアレラ」。

こんなところだろうか。とにかく、さくタイプのチーズが、そこらのスーパーでいまや3商品から選べるのだということだけは事実である。

チーズをさくにも商品を選ぶ時代がやってきたのだ。願ってもいない夢が過剰に叶う。やってくる未来の醍醐味だと思う。
冒頭と同じ写真で終わりです
冒頭と同じ写真で終わりです
  

 
@nifty

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