バナナボートの上座はどこか

2018/01/06 11:00 

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バナナボートの上座はどこか

さあ、どこに上司を乗せる?
さあ、どこに上司を乗せる?
上座下座をマスターすることはサラリーマンの基礎である。出世への近道。これを知っているだけで生涯年収が上がるのであれば覚えておいたほうが得だ。

僕は上司をタクシーの助手席に座らせてその後3日嫌味を言われたことがある。20代、給料がまったく上がらなかったのはあのせいかもしれない。

しかし、働き方改革という言葉の流行が表すように、働く環境は多様化している。在宅勤務、オープンイノベーション………そこにまだ上座下座の概念が追いついていないのが現状である。

そこで、上座がまだ決まってないシチュエーションでの上座を考えたいと思う。

バナナボート、ジェットコースター、3列シートの車、バス、タンデム自転車、気球、メリーゴーランドである。
(林雄司)

本気のビジネス講師をお招きしました

僕のようなビジネスマン見習いぐらいのスキルでは上座と下座を考えても説得力がない。そこでビジネス有段者をお招きした。
和田裕美さん
作家・営業コンサルタント 和田裕美さん
営業やコミュニケーションのための講演をおこなう傍ら、ビジネス書も信じられないぐらい多数執筆している。タイトルも「成約率98%の秘訣」「世界No.2営業ウーマンの『売れる営業』に変わる本」など本気である。

バナナボートの上座を決めたいという依頼にも快諾してもらえた。

上座とは奥で安全な席

まずは我らビジネスマナーと羊羹の区別がつかないような人間にもわかるように基本的なところから聞いた。

―― 上座を決める要素ってなんですか?

和田:出口から一番遠いところが上座になります。奥であることですね。殿様って奥に座るじゃないですか。その手前に下々の者が座る。
会議室でもそうです。新年の発表会でも役員が前の方に座ってますよね。


――タクシーでは運転手の後ろが上座なんですよね。

和田:奥ですし、あの席がいちばん安全なので。
!
タクシーの上座
上座とは「奥」で「安全」な席ということである。大雑把に理解したところで本題である。
これまで考えてこなかった場所の上座を考えてみよう。

バナナボート

 photo by Peanut Dela Cruz</a>
和田さんが事務所のスタッフに聞く。
Aさん「和田さんと乗るんだったら和田さんに前を譲ります」
Bさん「私は上司をつかめないので前に乗ります」
意見が別れた。

――後ろのほうが振り落とされる確率が高いらしいです

和田: 安全性と、景色がきれいという点では前ですね。上座には「景色がきれい」という要素もありますから。

―― バナナボートの上座は先頭ということでいいでしょうか。

和田: 前のほうが新鮮な水をかぶれますし……前の人がかぶった水をかぶるのは嫌ですよね。
ぬるくなってるし、前の人のよだれと一緒になった水しぶきを上司にかけるわけにはいきません。


―― よだれも考慮した上座、決まりですね。

ちなみにバナナボートの写真を見ると後ろの席にもつかむところがあるので、「上司をつかめない」という心配は杞憂であった。よかった。
バナナボートの上座:先頭
バナナボートの上座:先頭

ジェットコースター

和田: ジェットコースターでいちばん安全なところ…

――ジェットコースターはどこも安全だと思いますが、後ろの方が怖いですよね。安全性以外の要素だと…乗ってるところを勝手に写真撮られたりしますね

和田:あの写真は一番前が上司でないと締まらないですね。となると上座は一番前でしょうか。
勇気を持って先頭乗っている風貌を写してあげる方が上司映えすると思いませんか。


――上司を引き立たせるためにも

和田:見栄はって堂々と俺怖くないという感じを出した方が、みんなついていこうと思うと思うんですよ。
アップダウン激しいから、経営になぞらえて上がる時も下がる時も俺の背中を見ろ!俺についてくれば最後はいつか止まるから。


――止まっていいのかわからないですが、いい会社っぽいです

和田:俺の背中を見てついてこい、ですね。
これが上座と上司
これが上座と上司
――上座に座るものの心意気も問われますね

和田:そこに座ったからにはどんなに怖くても両手を上げる。両手あげるとお手上げという感じがするから………ピースとか。写真を撮る時に余裕があるのがいいですね
ジェットコースターの上座:一番前・乗った者は両手でピースを出す
ジェットコースターの上座:一番前・乗った者は両手でピースを出す

3列シートの車

――― 最近のエグゼクティブははああいう車に乗ってますね

和田:3列目じゃなくて2列目でしょうね。普通の車と一緒で運転席の後ろです。

―――奥だから3列目じゃないんですね

和田:3列目は座席がすごく狭いし、2列目のシートを倒して上司が身を屈めて入らなきゃいけない。
社長にシート倒して狭いところに行かせなきゃいけないし、 降りるときも最後になりますすよね。


―――想像しただけで気まずい

和田:上司はトイレ近いじゃないですか。トイレ行きたいときにすっと行けますから、ドア付近はいいですよね。

―――寝たい人は一番後ろに行きますよね。誰の目にもつかないところ

和田:上司が寝たい時は一番後ろを全部使わせてあげると、エコノミーの席を3つ4つ使うような席になりますね。空いててラッキーなエコノミーみみたいな使い方できますね。

3列シートの車の上座:運転席の後ろ。でも上司が寝たいときは一番後ろで寝てもらう
3列シートの車の上座:運転席の後ろ。でも上司が寝たいときは一番後ろで寝てもらう

バス

―――バスはどこでしょうか。

和田:運転席の後ろが安全性が高いと思います。でも、バスジャックがあったときのことを考えると後ろの方が安全かもしれない…。要人は狙われる可能性がありますから。

―――そんな要人がバスに乗るかという点は考えないでおきましょう

和田:あと要人すぎてカモフラージュのために目立たなくさせることを考えると真ん中。
優先席の向かい側あたりに座らせたい気もします。


――― あそこは意外すぎますね。
「降りまーす!」
「降りまーす!」
和田:一番前に乗ってると全員に顔を見られるんですよ。
「あ、あの人乗ってる!」ってそのあとに乗ってくる人全員に気づかれるのはセキュリティ上問題です。後ろの方のタイヤの上、高くなっているところも上座っぽいですね。高いから。


―――あの膝をかがめる場所

和田:一番高いところで見下ろしていただくというのが上座っぽさがあります。後ろの非常口のところは消火器があるので、バスジャック犯と消火器で戦ってもらってヒーローにしてあげるという手も

――― それ危ないから逃げたほうがいいですよ

和田:でも、好きに座ってもらっていいんじゃないですか。偉い人が一番うしろに座りたいと言ったらそこが上座になります。そうすると常務とかもその周りを囲むように座る。
上司が「今日は部下と話したいんだ」と言うとまたまわりの席順が変わってきますね。


――― 面倒くさいですね

和田:「めったにこういう機会がないんだから私の横に座りなさいとか言ったり」。

――― 寝たふりしたい!

バスの上座:どこでもいい

タンデム自転車

こういうのです。
こういうのです。By juan aguila - elvomitorio, GFDL, Link
――― 一見、上司が前に乗りそうですね。

和田:でもこれは昔の籠じゃないですか。だとしたら上司は後ろに座ってこいじゃいけない。

――― 確かに。普通の自転車の二人乗りと考えたら後ろですよね。違法ですが。

和田:雨風しのぐのは部下の方がいいですよね。

――― しかし老人扱いしてるみたいで気を使いますね

和田:ビジネスマナーとしてそういうところは気をつけないといけないですね。乗る時は言葉に気をつけて 後ろを譲ったほうがいいです

(和田さんが遠くを見ながらぶつぶつと言い始める)
「…………優雅な気持ちになってゆっくり景色を堪能できるVIP席をご用意しました。こぎたいときはこいでいただいて、こぎたくないときはこがないという自由を選択できるお座席となっております。
どうしても先頭で体を鍛えたいと希望されるんであれば先頭をおゆずりしても構いませんが、後ろにのっていただいたほうが…」


真剣に新しいビジネスマナーについてディスカッションした
真剣に新しいビジネスマナーについてディスカッションした
――― いまシミュレーションしてましたね

和田:もし後ろで上司がこぎ始めたのあれば、「すごく楽になりました。スピードが3倍!」とか。
ナイスショットみたいな感じで盛り上げた方がいいですよね。そこで自分のこぐのをサボれるし、上司がいい気分になる。


―――僕にもシチュエーションが見えてきました。

和田:前の席は前を見なければいけないけれども、後ろであれば左右を見られるので街道沿いで応援してる人に手を振れますね。
パワハラ感が半端ない
パワハラ感が半端ない
――― ?そんなシチュエーションだったんですか

和田:後ろなら手があいているので、手も振れる。メガホンで前の人に指示出すこともできますし。「もっとこげー!」とか。

――― もうそれコント「ブラック企業」です

和田:後ろは飲食もできますね。スタバのコーヒーを持ちながら優雅に乗っていただくということも可能。手が空いているというのは圧倒的に上座ですね。
タンデム自転車の上座:うしろ
タンデム自転車の上座:うしろ

気球

―――カゴにはドアがあるからそこから遠いところですかね。

和田:カゴのフチで重り落とす人が下僕ですよね。そうすると中央に座っていないといけないかも。でも真ん中だと景色が見えないし…

――― 熱気球は重りを使うのかな。しかしカゴの中央は面白さゼロかも

和田:あ、気球の表面に名前とかロゴがありますよね。それが正面だとしたらそれが見えるところじゃないですか。
気球はどっちに向かって進むかわからないけれども、写真を撮るときは絶対そこを前にするので。

確かに文字が書いてありがち
確かに文字が書いてありがち
―――なるほど、 フォトジェニックな場所が上座

和田:気球に乗ったら絶対に写真撮ってインスタにあげると思うので奥の方にいたらいけないです。後頭部が写ってるなんていうのはありえない。
決めポーズができるインスタ映えする位置が上座です。


――― 気球でこっちを見ている、なんかわからないけどものすごく偉い感じが漂います

気球の上座:気球のロゴがある面のふち
気球の上座:気球のロゴがある面のふち

メリーゴーランド

奥も安全性でも考えられない。どこだろう?
奥も安全性でも考えられない。どこだろう?
――― 丸くなっちゃってるから上も下もないですね。

和田: (メリーゴーランドの写真を見ながら)メリーゴーランドの中に馬車がありますよね?
馬以外にスペシャルなやつがありますね。ここは上座ですね。完全に上座です。

!
あ、あった
あ、あった
和田:馬に乗るのは家来ですよ。馬車の上座感はすごい。

――― ワールドワイドに通じる上座ですね

和田:もう一人ぐらいお付きの人が乗りますね。ここでシャンパンとかにリムジンっぽくやってもらって。

――― シャンパン持ち込んで遊園地の人に怒られて欲しいですね

和田:社長が乗る馬車が上座でそれを引く馬に役員が乗る。

――― 馬に社長が乗るのはありえないですか?

和田:馬車に若手が乗って社長が馬………いや、馬には乗せちゃいけないですよ。どうしても馬に乗りたいとおっしゃる場合は…
「………童心に戻りたければ馬もございますが、どちらがよろしいでしょうか」
と1回聞きましょうか。


――― ありえないシチュエーションなのにリアルなセリフです

和田:でもやっぱり馬車に案内しましょう。
「こちらの方が景色がよろしくて万が一雨が降った場合も雨風がしのげますので社長お座りくださいませ。沿道には社員が社長の優雅な姿を見ておりますので……」


――― 社長が乗ってるあいだに社員が売店に行ってると駄目ですね

和田:「あいつら!」ってなりますね。メリーゴーランドが終わって社長が降りる場合は拍手で迎える。ビジネスマナーとしては拍手で迎える。
プライベートジェットから要人が降りるような気配を出してもらえたら上司は嬉しいと思います


―――在野の株式会社って感じがします
メリーゴーランドの上座:馬車
メリーゴーランドの上座:馬車

どんとこい!上座

――― こんど挨拶の順番も教えてください。

和田: 宴会の乾杯~中締め~締めですね。「いやおれは~」って3回断ったら「じゃあ僕が」とか。

――― なんすかそれは

和田: 偉い人に挨拶をお願いしたとき、「いやおれは~」と言ってても準備している場合があります。そこの見極めのために3回断ったら「じゃあ僕が」と挨拶するのがいいです。

――― 1回断られて「じゃあ僕が」はダメなんですね。

和田: ダチョウ倶楽部みたいになってしまうので。
いやいややったのに挨拶がうまい上司、というところを演出させたいですね。


上座下座から見えてきた上司はつまりツンデレである。
いつか上司とバナナボートに乗る日が来るまでこのページをブックマークしておいてもらいたい。
  

 
@nifty

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