マスター、「新大久保」ください

2015/11/18 16:00 

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はっけんの水曜日
 

マスター、「新大久保」ください

出てきたのは「中国」だった
出てきたのは「中国」だった
2020年開催の東京オリンピックを前に、外国人観光客の受け入れ体制の整備が急務となっている。しかし、東京にはすでに外国人タウンと呼ばれる街がいくつかある。その代表格が、西葛西の「インド人街」と新大久保の「コリアンタウン」だ。

そこで今回は、この二つの街のバーを訪れ、自身の街をイメージしたお酒を作ってもらうことにした。課題解決の糸口となるヒントが、そこから見えてくるかもしれない。
(石原たきび)

女子で音が外れてるのは前田と加藤

まず、向かったのは江戸川区の西葛西駅。東京ディズニーランドが近い。
後ろから読んでも「西葛西」
後ろから読んでも「西葛西」
時刻は午後7時。仕事を終えた皆さんが改札口から出てくる。
線路下のショッピングモール
線路下のショッピングモール
このメトロセンターがやたらと長い。1番街から4番街まであり、全長400mぐらいはあるんじゃないだろうか。

1週間ほど前から腰が痛いので、前かがみで歩く。人生初の腰痛とあって行く末が不安である。
「サンタさん(もどき)」と正直
「サンタさん(もどき)」と正直
ところで、インド人街というだけあって、インド人っぽい人々が多い。目に入るのは50人に1人ぐらいのイメージだ。

東京都の調べでは、江戸川区だけで都内全体の25%にあたる、約2000人が住んでいるとのこと。なかでも、ここ西葛西は最密集エリアなのだろう。
おしゃれに母を待つインド人少女
おしゃれに母を待つインド人少女
前を歩く女子中学生二人の会話が、すれ違いざまに耳に入ってきた。「合唱コンクールもうすぐだね」「女子で音が外れてるのは前田と加藤だよね」。

クラス全体がなかなか仕上がらないのが、もどかしいようだ。人間は、おのおの大小の悩みを抱えて暮らしている。
駅前の地下駐輪場
駅前の地下駐輪場
この地下では、絶えずガチャンガチャンという機械音が鳴っていた。いま調べてみたところ、これは日本一の収容台数を誇るハイテク駐輪場らしい。詳しくはわからないが、ハイテクが奏でる音なのだろう。

雨が降ってきた。

インドのモスクにも思えてくる

事前リサーチによると、駅から徒歩5分の西葛西クリーンタウンという団地群にインド人コミュニティがあるという。ちょっと行ってみよう。
歩道橋の下は清砂大橋通り
歩道橋の下は清砂大橋通り
歩道橋から見えた団地群は、なんだか真っ白で非現実的だった。
80年代に建てられたとは思えない白さ
80年代に建てられたとは思えない白さ
見ようによっては、インドのモスクにも思えてくる。敷地内のスーパーをのぞいてみた。
カレーコーナーが充実しすぎている
カレーコーナーが充実しすぎている
これは予想通りだった。インド人の姿も多く見かける。さて、駅前に戻ってバーを探そう。
「立ち飲み 待夢(たいむ)」
「立ち飲み 待夢(たいむ)」
ふだんなら、絶対に立ち寄っている。特製シャーベットホッピー(320円)も気になる。しかし、ここに「インド」はなさそうだ。

やがて、マスターレーダーが反応する店を見つけた。
「レストランバー CAL CAL」
「レストランバー CAL CAL」
おお、カルカルだ。ニフティとの縁も感じる。

インドの人は基本的に外食をしない

店頭の看板には、「リクエストに応じ、オリジナルカクテルも作ります」とある。
果たして、「インド」はあるのか
果たして、「インド」はあるのか
店内は40席ほどの広々とした空間だった。
BGMはピアノジャズ
BGMはピアノジャズ
取材趣旨を告げると、「インドのお酒?」と首を傾げながらもOKしてくれた。創作無国籍料理の店だという。
スタッフの住吉章男さん
スタッフの住吉章男さん
店名の由来は、カリフォルニア市民は自分たちのことを「カル」と呼び、カリフォルニアもこの店も魚料理が美味しいから。

毎週末にピアノの生演奏が入り、月に1、2回はジャズバンドによる本格的なライブも行われるという。

ちなみに、住吉さんの趣味はスノボで得意技は「バックグラブ」。スノボのことはまったくわからないが、知人が「180(ワンエイティ)」ができるようになったと喜んでいたことを伝え、どちらが難しいのかと聞くと、「トリックのやり方が違うんで」とのお答え。うむ。
カクテルメニューだけで13ページあった
カクテルメニューだけで13ページあった
インド人との交流は、意外にもほとんどないらしい。コミュニティ内で事足りているということか。

「インドの人って基本的に外食しないんですよ。食べちゃいけないものもあるし。するとしても、駅周辺に何軒かあるインド料理店に行っちゃいますからね」

では、さっそくですが「インド」ください。
スタッフの生沢さんが作ってくれた
スタッフの生沢さんが作ってくれた

西葛西は日本のシリコンバレー

待つこと数分。「インド」が運ばれてきた。
しかも、2つも。ダブルインドだ
しかも、2つも。ダブルインドだ
左がインド発祥のラムにオレンジジュースを加えた「マハラジャ」。右が2種類の強めのラムにレモンジュースやパイナップルジュースを混ぜたもの。各840円。

「『マハラジャ』はインド人をイメージして作ったオリジナルカクテル。『ゾンビ』は死人が生き返るほど強烈で、スパイシーな料理に負けないパンチの効いたお酒です」
「ゾンビ」をひと口飲むと…
「ゾンビ」をひと口飲むと…
うん、おいしい。アルコール度数が高いのに飲みやすいので危険なお酒だ。さらに、「マハラジャ」でインドに浸る。

ところで、後ろにある名車と呼ばれるホンダVB400Four(ヨンフォア)が気になっていたが、社長の私物だった。
僕は同じくホンダのVTZに乗っていた
僕は同じくホンダのVTZに乗っていた
と、そこへ社長が登場。「写真はいいよ」とのことなので、話だけ聞く。なぜ、西葛西にインド人コミュニティができたんですか?

「ここにIT関係のインド人ボスが住んでいたんだけど、コンピュータが誤作動する『2000年問題』が起きた時、人手が足りないからって彼が優秀なIT技術者をインドから大勢呼び寄せたんだよ」

おお、なるほど。西葛西は、いわば日本のシリコンバレーというわけだ。ここでも、カリフォルニアがつながった。
アルバイトの優奈さん
アルバイトの優奈さん
「男ばっかりじゃ、むさ苦しいでしょ」という住吉さんの気遣いから、女性スタッフも紹介してもらった

彼女は、専門学校でイラストの勉強をしていて、BLも読む“腐女子”だという。思いつきで、「じゃあ、さらっと描いたイラストを後で送ってください」と頼んでみたところ、翌朝、すごい一枚が届いた。
徹夜で描いたのだろうか
徹夜で描いたのだろうか
というわけで、大満足の半ゾンビ状態で「CAL CAL」を後にする。
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@nifty

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