JTB九州:「子どもも海外身近に」パスポート費用支援

2017/05/18 12:48 

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 JTB九州(福岡市)は今夏に海外旅行に出かける家族を対象に、18歳未満の子どものパスポート取得費を1人につき5000円負担する。自治体や空港の運営会社が同様の取り組みをした例はあるが、旅行会社が実施するのは珍しく、JTBグループでも初めて。背景には若者の海外離れへの危機感もある。しかも九州・山口のパスポート保有率は低い傾向にあり、観光庁も「斬新な取り組みだ」と注目する。

 7月1日〜9月30日に福岡空港からハワイ、グアム、シンガポールに出発する同社の対象商品を家族で申し込み、子どもがパスポートを取得するか更新する場合に適用する。パスポートは10年有効と5年有効の2種類あるが、20歳未満は5年有効しか取れない。取得費用は12歳以上が1万1000円、12歳未満が6000円で、いずれの場合も旅行代金から5000円を差し引く。

 JTB九州によると、パスポートの保有率(2016年1月現在)は全国平均が23・7%だが、九州・山口の各県は、都道府県別10位の福岡県(23・4%)以外は低水準にあり、鹿児島県が43位、宮崎県が41位。地方空港は国際路線が少ないため、成田空港や関西国際空港などを経由して金銭的にも時間的にも負担となることが多く、海外旅行の障壁となっているようだ。

 一方で、観光庁によると、20代のパスポート取得率は1995年には9・5%あったが、2015年には5・9%まで落ち込んだ。観光庁は「国際社会の中で若者には積極的に海外を訪れてもらい、国際感覚を養ってほしい」として、学校に旅行経験の豊富な講師を派遣し、その魅力を伝える活動などに取り組んでいる。

 JTB九州が今回のキャンペーンを始めた理由には、海外旅行を巡るそうした社会背景もある。企画に携わったJTBワールドバケーションズの村岡修治九州販売本部長は「若者の海外離れの背景にはバーチャル体験が進んだことなどもあるのかもしれないが、実体験に勝るものはない。子どものころから海外に親しむことで、若い人が海外を身近に感じるようになってほしい」と狙いを語る。【佐野格】

毎日新聞

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