不正納品:旭硝子子会社、検査実施装う 9日から出荷再開

2018/01/10 20:41 

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 ガラス最大手の旭硝子の子会社「AGCテクノグラス」(静岡県吉田町)が、自社が定めた検査項目の一つを実施せずに、実験などに使われるプラスチック製容器「遠沈管」を2015年以降、出荷し続けていたことが明らかになった。出荷先は約1500の大学や研究機関で、そのうち80の出荷先に対しては、検査未実施にもかかわらず品質保証書を発行していた。同社は出荷先に対する説明と、実態調査を開始した。

 遠沈管は、遠心分離機で使われるプラスチック製容器。大学や研究機関の実験に広く使われ、同社は「IWAKI」ブランドで20種類を販売している。

 これらの遠沈管はDNAを採取する際などに使われるが、DNAを壊してしまう恐れがある「DNA分解酵素」が遠沈管に含まれていると、実験結果に影響を及ぼす恐れがある。このためテクノグラス社は05年、独自規定を策定し、分解酵素が製品に含まれていないことを定期検査で確認し、品質保証書も発行していた。しかし、15年2月に検査に必要な高精度な試薬を入手できなくなったため、そのまま検査を実施せずに出荷と品質保証を続けたという。

 昨年12月上旬に社内で問題が発覚し、20日に出荷を停止。27日に自社のホームページ上に「お客様の信頼を大きく損なう不適切な対応を続けてきましたことをおわび申し上げる」とする謝罪文を掲載した。これまでより精度を下げた試薬を使った検査を実施することにし、1月9日から出荷を再開した。

 同社は、実験に影響が出る物資が混入しないクリーンルームで製品を生産していることや、検査を停止した15年2月までの検査結果が同社の規定値を下回っていたことなどから、検査停止以降に出荷された遠沈管も規定をクリアしていると説明している。【古屋敷尚子】

 ◇AGCテクノグラス

 ガラスや化学品などを手がける旭硝子の100%子会社。1883年に故岩城滝次郎氏が日本初の民間洋式ガラス工場として操業開始。1952年に旭硝子が資本参加した。「IWAKI/iwaki」ブランドで実験用製品や耐熱ガラス食器などを製造する。旭硝子は事業分野拡大に伴い、7月1日付で「AGC」に社名変更する。

毎日新聞

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