不正納品:旭硝子子会社、3年近く不正放置

2018/01/10 20:49 

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 実験用容器の品質検査の一部をせずに出荷した旭硝子の子会社「AGCテクノグラス」(静岡県吉田町)は、担当者の交代などで社内の情報が引き継がれず、3年近く不正を放置していた。国内の製造業では品質に関する不正事案が相次いでおり、ずさんな管理体制の改善が求められそうだ。

 同社によると、2015年2月に品質検査に使う試薬の製造元が生産をやめ、検査が継続できなくなった。しかし、「1〜2カ月後に再び入手できる」といった情報があったことや、担当者が交代したことから、こうした経緯が社内で共有されず、検査は未実施のまま放置されたという。昨年12月上旬、顧客に品質を保証する書類の提出を依頼された際、担当者が再確認して不正が発覚した。

 同社は検査をせずに出荷した製品のサンプルを保管しており、再検査した結果、「品質に問題はなかった」と説明している。今のところ、取引先から実験結果に悪影響が出たという報告はないというが、顧客に虚偽の品質保証を続けていた責任は問われそうだ。

 また、同社や親会社の旭硝子は、記者会見を開かずテクノグラス社のホームページ(HP)でのみ不正を発表していた。同社は「消費者が使う製品でなく、不正な保証書を出した納入先もわかっていたため、問題ないと判断した」と釈明するが、情報開示姿勢にも疑問符が付く。

 日本の製造業では昨年、神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社などで品質データを改ざんした事案が相次いで発覚した。不正が再び拡大し、信頼回復が遠のきそうだ。【竹地広憲】

毎日新聞

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