毎日経済人賞:積水ハウス和田会長と星野リゾート代表に

2018/01/10 21:53 

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 第38回毎日経済人賞の受賞が決まった積水ハウスの和田勇会長は、初の生え抜き社長として海外進出を陣頭指揮し、海外事業を収益の柱に育てた。星野リゾートの星野佳路代表は、老舗温泉旅館の4代目として、リゾート施設や旅館の再生を通じて日本各地の地域活性化に貢献してきた。また、毎日経済人賞栄誉賞を受賞した信越化学工業の金川千尋会長は、塩化ビニールと半導体シリコンウエハーで世界トップシェアを実現した。

 ◇省エネ武器 海外進出

 ◇積水ハウス・和田勇(わだ・いさみ)会長(76)

 積水ハウスは累積建築戸数約235万戸(2017年7月末現在)。世界一の住宅メーカーだ。1998年に社長に就任し、顧客満足の徹底や環境重視の経営をいち早く打ち出した。会長兼CEO(最高経営責任者)に就任した2008年からは海外進出を指揮。省エネや断熱機能などを武器にオーストラリア、中国、米国、シンガポールの4カ国で事業を展開し、収益の柱に育てた。

 経済産業省と東京証券取引所が、女性の活用に積極的な上場企業を選定する「なでしこ銘柄」に4回選ばれ、女性活躍の環境づくりでも高い評価を受ける。

 本社を置く梅田スカイビル(大阪市北区)の敷地内に日本の原風景を再現した「新・里山」を設け、都心で農業を体験できる貴重な場となっている。16年には、日本の美術界をリードする絹谷幸二さんの絵画作品を集めた「絹谷幸二 天空美術館」をビルの27階に開館。「文化面でも地域に貢献したい」と意気込んでいる。【真野森作】

 ◇地域を再生・活性化

 ◇星野リゾート・星野佳路(ほしの・よしはる)代表(57)

 日本を代表する避暑地、長野県・軽井沢の老舗温泉旅館の4代目として会社を急成長させる一方、経営破綻した日本各地のリゾート施設の再生を手がけ、地域活性化にも貢献してきた。

 慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院に進学し、米国のホテル経営の最前線を学んだ。1988年、星野リゾートの前身である星野温泉旅館に入社。91年に父・嘉助氏(故人)の後を継いでトップに就任すると、徹底した市場調査に基づき施設やサービスを根本から見直し、代々受け継いできた温泉旅館を高級リゾート施設に生まれ変わらせた。

 リゾート施設の再生に乗り出したのは2001年から。施設の所有と運営を分離し運営に専念する手法で、北海道・トマムのスキーリゾートなどを再生。地域特有の観光資源を新たな魅力として売り出す手腕は注目を集め、復興庁の東北観光アドバイザー会議委員を務めるなど、観光を通じた地域活性化についても提言を続けている。【井出晋平】

 ◇塩ビで世界一維持

 ◇栄誉賞=信越化学工業・金川千尋(かながわ・ちひろ)会長(91)

 信越化学工業は米国、欧州、日本に生産工場を持つ世界最大の塩化ビニール(塩ビ)メーカーとして知名度が高い。半導体の基盤として使われるシリコンウエハーでも世界トップシェアを誇るなど、素材メーカーとして存在感を示す。金川千尋会長は1990年から20年間社長を務め、現在も会長として経営の第一線に立ち続けている。

 1926年、日本統治下の朝鮮・大邱生まれ。50年に東大法学部を卒業して、極東物産(現・三井物産)に入社。62年に信越化学工業へ入社して経営手腕を発揮。今日の同社を築いた。

 塩ビは住宅の建築材料や上下水道のパイプなどインフラ整備に欠かせない。この分野で92年から世界シェア1位をキープしている。米国で工場を稼働させ、「合理的な経営で世界の顧客に製品を提供できるようになった」という。金川会長は「慢心してはいけない。中国のメーカーと値段の競争をしたら勝てない。品質、技術で勝負すべきだ」と語っている。【川口雅浩】

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