JR東海:社長に金子氏昇格へ 葛西氏は代表権外れる

2018/01/11 15:40 

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 JR東海は11日、金子慎副社長(62)が社長に昇格し、柘植(つげ)康英社長(64)が代表権のある会長に就く人事を発表した。葛西敬之名誉会長(77)は1990年6月の副社長就任時から持ち続けていた代表権が外れ、取締役名誉会長になる。いずれも4月1日付。リニア中央新幹線の工事が本格化する中、2027年の東京−名古屋間の開業に向けて経営陣の若返りを図る。

 トップ人事ではこのほか、山田佳臣会長(69)が代表権のない取締役相談役に就く。リニア建設工事を巡る談合事件の捜査が進む中での社長就任について、名古屋市内で記者会見した金子氏は「リニアは期待の大きいプロジェクト。工事の進捗(しんちょく)が滞ることのないようにしたい」と述べた。

 金子氏は総務部長や人事部長など、歴代社長と同様、主に総務畑を歩んできた。一方、新幹線鉄道事業本部管理部長など現場経験もあり、柘植氏は「当社のあらゆる業務に精通している」と評価した。14年から中央新幹線推進本部担当としてリニア建設を指揮しており、社長就任後も巨大プロジェクトのかじ取りを担う。金子氏は「まずは強い経営基盤が大切だ。安全を第一にしながら、鉄道事業やその他のサービスも磨いて利益をあげ、経営体力を強くしていきたい」と抱負を述べた。

 リニアは建設業界による談合事件で工事の公正さが疑われる事態になっているが、今回の人事への影響について柘植氏は「関係ない」と否定。金子氏は「契約の手順がきちんとなされたことを確認しながら、着実に進めていきたい」と述べ、27年の開業目標を維持する姿勢を強調した。

 14年に社長に就任した柘植氏はリニア工事に着手、本格化させたほか、外国人観光客の増加も追い風に業績好調を維持した。一方、同社を創業時から支えてきた葛西氏と山田氏は、ともに代表権がなくなる。柘植氏は「次の世代も育ってきた」と話し、国鉄民営化30年を経て世代交代が進みつつあることを印象づけた。ただ、葛西氏が担ってきた米国への高速鉄道輸出は「人のつながりで成り立つ部分が非常に大きい」(柘植氏)として、葛西氏が引き続き関わっていくという。【黒尾透、小倉祥徳】

毎日新聞

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