商工中金:「企業再生の有名人」新社長に関根氏

2018/01/12 20:23 

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 商工組合中央金庫(商工中金)は12日、不正融資問題で引責辞任を表明していた安達健祐(けんゆう)社長(65)の後任に、西武ホールディングス(HD)子会社であるプリンスホテルの関根正裕常務執行役員(60)を起用すると発表した。関根氏は銀行出身で金融業界に明るく、西武HDでは鉄道やホテル事業の再生を手掛けた。商工中金で抜本的な経営改革を進められるのか、手腕が問われそうだ。

 3月27日に開催予定の臨時株主総会を経て就任する。商工中金を所管する世耕弘成経済産業相は12日の閣議後記者会見で「金融実務に精通し、鉄道やホテルの再建に強いリーダーシップを発揮した。立て直しにふさわしい人物」と述べた。

 国の融資制度「危機対応融資」を巡り組織的な不正が行われていた商工中金は、元経産事務次官の安達社長が昨年10月に引責辞任を表明。商工中金は経産省の「天下りポスト」だったことから、政府は民間出身で企業再生の実績があることを条件に後任の人選を進めた。

 元地銀トップなどに打診したが、所属先との調整が難航するなどして決められなかった。最終的に企業再生手腕で評価の高かった関根氏を頼ることにした。

 関根氏は第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)出身。銀行では主に広報畑を歩み、1997年に発覚した総会屋への利益供与事件で行内改革に携わった。当時銀行に勤務していた作家、江上剛氏の部下で、小説「座礁 巨大銀行が震えた日」の登場人物のモデルにもなった。江上氏は毎日新聞の取材に「まっすぐな人物。総会屋利益供与事件当時、名古屋の副支店長から本社に呼び戻したほど有能だった」と振り返った。

 その後、堤義明・元コクド会長のインサイダー事件で揺れる西武鉄道に移った。みずほ出身の後藤高志・西武HD社長のもと鉄道やホテル事業の経営再建に手腕を発揮。「広報や企業再生の世界では有名人」(関係者)だった。

 商工中金を巡っては、経産省の有識者検討会が11日、危機対応融資を縮小したうえで今後4年間かけて経営改革を進め、完全民営化の可否を判断するよう提言した。事業モデルの転換や企業統治の強化を急ピッチで進めるのは容易ではなく、関根氏に課せられた責任は重い。関根氏は12日、西武HDを通じ「西武グループで再生に取り組んできた経験を生かし、全身全霊をささげる覚悟で取り組む」とコメントした。【浜中慎哉、横山三加子】

毎日新聞

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