米大統領:「相違超え結束を」オバマ氏、最後の演説

2017/01/11 21:12 

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 【ニューヨーク西田進一郎】オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、地元の米中西部シカゴで任期を締めくくる最後の演説で、「民主主義の維持には相違を超えて結束することが重要だ」と訴えた。移民やイスラム教徒などへの排他的な姿勢を示すトランプ次期大統領を念頭に「分断ではなく結束だ」と強調した。

 オバマ氏は今月20日の退任を控えた今回の演説で「我々の民主主義は(十分機能すると)当然視した時に脅かされてしまう」とも述べ、健全な民主主義の確保には不断の努力が欠かせないと指摘した。

 その上で、トランプ次期政権との間で円滑な政権移行作業を進めているとしながらも、昨秋の大統領選以降、米国で移民やイスラム教徒への差別が伝えられていることから「人種問題はしばしば米社会を分断させてしまう」と警鐘を鳴らした。「移民の子供たちを大切にしなければ、私たちの子供の未来を損ねてしまう」とも語り、排斥主義的な主張を繰り返すトランプ氏を改めてけん制した。

 オバマ氏は2期8年の実績として、リーマン・ショック(2008年)を機に陥った歴史的不況からの経済再生を挙げた。さらに医療保険に未加入だった2000万人近くの国民が医療保険に加入した医療保険制度改革(オバマケア)の実現についても言及した。地球温暖化対策を軽視するトランプ氏の姿勢を念頭に「次世代への裏切りだ」と述べるなど、自身のレガシー(政治的遺産)を覆そうとするトランプ氏を暗に批判した。

 外交面では半世紀以上対立してきたキューバとの国交回復や、イランの核開発を制限させた合意に触れた。08年大統領選に当選した時のスローガン「イエス・ウィ・キャン」を持ち出し、「イエス・ウィ・ディド(我々はやり遂げた)」と成果を誇った。

 聴衆は演説の要所で拍手を送り、「あと4年!」と続投を求める声も飛び交った。オバマ氏はミシェル夫人に「あなたはホワイトハウスをみんなの居場所にしてくれた」と感謝を表し、涙ぐむ場面も。演説の最後に「これからも一市民として、国への奉仕を続ける」と締めた。

毎日新聞

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