南シナ海問題:中比が初会合 第三国の関与排除へ

2017/05/19 21:47 

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 【貴陽(中国貴州省)河津啓介、バンコク西脇真一】中国とフィリピンは19日、中国貴州省貴陽で南シナ海問題に関する対話メカニズムの初会合を開き、半年に1度の定期開催で合意した。フィリピン側は中国の権益主張を退けた昨年7月の仲裁裁判所の判決にも言及し、将来の議題となるとみられる。中国は、裁判を提起したフィリピンと「当事国による解決」を目指す枠組みを始動させたことで、国際司法の判断を受け入れず日米など第三者の関与も排除する動きを強めるとみられる。

 初会合には、中国代表として劉振民外務次官、フィリピンはサンタロマナ駐中国大使が出席。中国外務省によると、対話メカニズムを「信頼醸成措置と協力の土台」と位置付け、互いの関心事項について「双方が受け入れ可能な対処方法について話し合いを進める」ことなどで同意。次回は年内にフィリピンで開催する。

 サンタロマナ氏によると、フィリピン側は仲裁裁判決のほか、同国が重視する漁業権問題、双方が領有権を主張するスカボロー礁(中国名・黄岩島)などにも触れた。ただ踏み込んだ議論はなく、サンタロマナ氏は「一度の話し合いだけで解決しない」と述べた。

 両国は昨夏の仲裁裁判決を巡り関係が悪化。だがドゥテルテ氏の大統領就任後、経済的実利を求めるフィリピンは中国に接近。昨年10月の首脳会談で両国は南シナ海問題の棚上げで事実上合意し、中国が主張する「当事国による対話解決」に沿う形で、対話の枠組みを作ることで一致した。フィリピンとの関係改善をてこに、国際社会の批判をはねつける戦略を描く。

 フィリピンは産業育成などの資金不足への懸念が強く、中国の支援は大きな魅力だ。軍事面でも接近し、ロレンザーナ国防相は15日、中国の5億ドル(約557億円)の融資を使った中国製武器購入計画を公表した。一方で、国防相は先月、スプラトリー(中国名・南沙)諸島で実効支配する島を視察し、施設整備を表明。日本から巡視船などの供与や貸与を受け、南シナ海での監視も強化している。

毎日新聞

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