米環境保護局:温暖化対策「クリーンパワー計画」撤廃

2017/10/11 19:03 

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 米環境保護局(EPA)のプルイット長官は10日、発電所からの温室効果ガスを削減するオバマ前大統領の環境規制「クリーンパワー計画」を撤廃すると発表した。トランプ大統領が今年3月に、同計画の見直しをEPAに命じる大統領令に署名していた。撤廃は、トランプ大統領の票田である石炭産業の保護を主な目的としており、米国の温暖化対策の後退は確実。米国内の科学者や州政府などからは批判が噴出している。

 オバマ前政権が2015年に公表した同計画では、米国内の石炭火力発電所などから排出される二酸化炭素(CO2)を30年までに、05年比で32%削減するよう州政府などに求めた。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で米国が掲げた温室効果ガス削減目標(25年までに26〜28%削減)を達成する上で核となる政策だった。

 一方、トランプ氏は昨年の大統領選当時から、パリ協定や同計画について「雇用を失わせる規制だ」などと批判。今年6月にはパリ協定自体からの離脱を表明した。

 EPAは、同計画の撤廃で、30年までに最大330億ドル(約3兆7000億円)のコストが浮くと説明。今後の温室効果ガス規制についてプルイット長官は「関係者の話を聞いて慎重に検討する」と言及するにとどめた。

 EPAの発表について、米国の科学者らでつくるNGO「憂慮する科学者同盟」のケネス・キンメル代表はブログで「ひどく無責任な決定だ。この発表に関わらず、クリーンエネルギーへの移行を加速するため、州や都市、企業などによる行動を推進しなければならない」と呼びかけた。【五十嵐和大】

毎日新聞

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