韓国大統領:慰安婦合意「受け入れ困難」 枠組みは変えず

2018/01/10 20:56 

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 【ソウル米村耕一】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日、新年の記者会見を開き、2015年12月の慰安婦問題に関する日韓両政府合意について「受け入れることが困難だ」と改めて合意に対する強い不満を吐露した。一方で「破棄や再交渉を(日本政府に)要求して解決する問題ではない」とも強調し、日韓関係に配慮し大きく枠組みを変えない姿勢も示した。9日に行われた南北閣僚級会談については「南北関係改善を通じて、北朝鮮が非核化に向けた対話に出てくるよう誘導したい」と述べ、南北対話によって北朝鮮の核問題にも貢献できるとの見方を示した。

 文氏は会見で、慰安婦問題について「日本が真実の認定と心からの謝罪をした時、被害者が日本を許すことができ、それが本当の解決だ」と主張。被害者が関与しないまま外交交渉で解決しようとした朴槿恵(パククネ)政権での日韓合意は「公式的合意であることは否定できないが、間違った結び目はほどかなければならない」と述べた。

 日本政府が拠出した10億円と同額を韓国政府が充当することについては「過去に行われた支出も韓国政府のお金で代替する」と述べたうえで、「すでに受け取った(元慰安婦の)おばあさんも、これまで受け取らなかったおばあさんも堂々とお金を受け取れるようになる」と指摘した。

 一方で日韓関係全般については「日本とは心の通じる本当の友人になることを望んでいる」と呼びかけ、「北朝鮮の核問題はもちろん、多様で実質的な分野で緊密な協力ができると信じている」とも指摘。歴史問題と安全保障や経済などの問題での協力とを分離する「2トラック」外交の継続を改めて強調した。

 北朝鮮の核問題や南北関係については、9日の南北閣僚級会談の成功を強調する一方で、「核問題が解決されてこそ南北関係が改善する」と述べ、南北関係強化が一方的に先行することはないとの見方を示した。経済制裁についても「韓国が独自に制裁を緩和する考えは現時点では持っていない」と述べ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への制裁を強める国際社会との連携を重視する考えを示した。

 ◇文大統領会見の骨子

 ・慰安婦問題を巡る日韓合意は両国間の公式的合意であることは否定できないが、間違った結び目はほどかなければならない

 ・日本が拠出した10億円は日本、元慰安婦の被害者、市民団体が同意し、問題解決に使えるなら望ましい

 ・日本が心から謝罪し、国際社会とともに再発防止で努力した時、被害者が日本を許すことができる。それが本当の解決だ

 ・平昌冬季五輪を南北関係改善と朝鮮半島の平和の転機としなければならない

 ・北朝鮮の非核化は譲歩しない。韓国が独自に制裁を緩和する考えは今はない

 ・南北関係改善と北朝鮮核問題解決に必要なら、南北首脳会談をはじめ、あらゆる可能性が開かれている

毎日新聞

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