シリア攻撃:露、安保理に非難決議案「米英仏の侵略行為」

2018/04/15 00:50 

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 【ワシントン高本耕太、カイロ篠田航一、ニューヨーク國枝すみれ】米英仏の3カ国は13日(米国時間)、シリアの首都ダマスカス近郊でアサド政権が化学兵器を使用したとして、シリアの化学兵器関連施設3カ所への軍事攻撃を実施した。トランプ米大統領はホワイトハウスでの演説で「3カ国は蛮行と残虐行為に対して正義の力を結集した」と述べた。一方、アサド政権を支援するロシアのプーチン大統領は3カ国の攻撃を「侵略行為」と断じて反発した。

 国連安全保障理事会は14日午前、緊急会合を開催。会合を要請したロシアは「米国と同盟国のシリア侵略は国際法と国連憲章に違反する」と非難する決議案を提出したが、米英仏は拒否権を持つ常任理事国のため採択される見通しはない。

 米国防総省の発表によると、シリアへの攻撃は現地時間14日午前4時に始まった。標的は、ダマスカス近郊の化学兵器研究開発拠点▽中部ホムスにある塩素ガス、サリンの貯蔵が疑われる施設▽ホムス近郊の化学兵器作戦の司令部兼貯蔵施設−−の3カ所。米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、少なくとも米艦3隻から巡航ミサイル「トマホーク」を発射。米軍のB1戦略爆撃機と英軍のトーネード、タイフーン両戦闘機、仏軍のミラージュ、ラファール両戦闘機が空爆に参加し、仏艦も巡航ミサイルを発射した。

 米軍統合参謀本部のマッケンジー中将は14日朝に記者会見し、105発のミサイルを使用して標的を破壊したと明らかにした。また、標的の中には実際に化学兵器が保存されていた場所があり、サリンもあったとの認識を示した。攻撃はアサド政権の化学兵器能力にとって大きな打撃となったが、民間人被害は確認されていないと説明。シリア内戦に米国が介入する意思はないことも強調した。

 トランプ氏は14日朝、ツイッターに「昨夜の攻撃は完璧に遂行された」と投稿。英仏両軍に謝意を示したうえで「任務は完了した!」と強調した。

 一方、シリア国営メディアは市民3人が負傷したと報じている。

 今回の攻撃は安保理決議や米議会の承認を経ていない。だが、トランプ氏は13日の演説で「化学兵器の製造と拡散、使用を抑止する行動だ」と述べ、「抑止力の確立は米国の安全保障上の利益に不可欠だ」と主張した。また、「2013年にシリアの化学兵器全廃を保証していた」のはロシアだと指摘し、「アサド政権の化学兵器使用と今日の報復措置は、ロシアの失敗の結果だ」と非難した。

 メイ英首相は今回の軍事行動は「正当で合法だ」と明言。マクロン仏大統領は「アサド政権がフランスが設定したレッドライン(一線)を越えた。攻撃対象は化学兵器製造能力に限定されている」と強調した。

毎日新聞

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