朝鮮半島有事:在韓日本人6万人退避、輸送手段確保が課題

2017/04/21 06:10 

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 政府が朝鮮半島有事の際の在韓邦人保護の検討を本格化させたのは、北朝鮮の核・ミサイル開発などの挑発的行動が続いているのに加え、米国も空母の派遣方針を表明するなど、情勢の不透明さが増しているためだ。約6万人に上る在韓邦人が危険にさらされないよう、日本政府は外交努力を続けるが、緊急事態への備えも本格化させている。

 菅義偉官房長官は20日の記者会見で「いかなる事態にも対応できる万全の体制を取っていく」と述べた。

 在韓日本大使館は今月1日、在韓邦人向けの「安全マニュアル」を改訂し、緊急事態の際の携帯電話へのショートメッセージサービス(SMS)による安否確認の方法の説明を加えた。韓国政府が指定する退避施設(シェルター)の一覧表も掲載した。緊急時の移動手段については「確定した時点で集合場所などをホームページに掲載する」とも記載。邦人の状況把握を徹底し、スムーズな退避を進めるためで、緊急時に備えた連絡手段の確保の必要性を強調した。ただ、旅行者の把握は難しく、緊張が高まった場合は渡航自粛を呼びかけることを検討している。

 政府は、米軍から北朝鮮を攻撃する場合は空路を中心とした退避を想定。一方、北朝鮮から韓国を攻撃した場合は、ソウルなどの大都市が北朝鮮軍の野砲の射程内にあることなどから、まずはシェルターへの避難を優先する。その後、韓国南部からの海路での退避を検討する。ただ、いずれも事態の推移を予測するのは困難で、政府高官は「大規模災害と同様に状況に合わせて対処する」と語る。

 退避用の航空機や船舶の確保も課題だ。船舶の場合、韓国南部・釜山などと九州や中国地方の港との間でピストン輸送することも検討している。【田中裕之】

毎日新聞

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