衆院選序盤調査:与党、緩み警戒 自民「議席必ず減らす」

2017/10/12 05:02 

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 共同通信社の衆院選序盤の電話世論調査で、与党が300議席超をうかがう情勢となったことを受け、政権は緩みを警戒している。野党側は危機感を強め、巻き返しを図っている。

 安倍晋三首相は11日、静岡、愛知両県4カ所で街頭演説し、「本当に厳しい選挙だ」「大変厳しい戦いだ」と繰り返した。政権幹部は「ありえない議席数だ。今は風は全く吹いていない。ここからどういう流れになっていくか全く見えず、楽観はできない」と引き締める。公明党関係者も「(実態よりも)ちょっと取りすぎた数字だ」と強調した。

 首相が衆院を解散した当初は、加計学園問題などの影響を懸念し、与党内にも首相が判断を誤ったのではないかとみる向きもあった。小池百合子東京都知事が希望の党を結成すると危機感はさらに高まった。

 にもかかわらず与党が優位な情勢になっているのは、ひとえに新党側の失態が原因だ。小池氏が民進党出身議員を選別したことで新党は二つになり、小選挙区での「野党一本化」は崩壊した。自民党関係者は「野党が食い合う状態が大幅な議席減を食い止めている」と話す。与党の堅調は敵失が主因で、政権側に得点があったわけではない。自民党内でも「こんなに勝てるとは思わない。議席は必ず減らす」(党幹部)との見方が支配的で、勝敗ラインが焦点となっている。

 首相は「与党で過半数」を勝敗ラインとしているが、官邸幹部は「30議席減以内にとどまれば政権は引き続き安定する」との見方を示す。一方、公明党が公示前勢力(35議席)を維持することを前提とした場合、与党で52議席以上減り、267議席以下となると、自民党は単独過半数割れとなる。この場合は首相の求心力低下は免れない。【高橋恵子、高橋克哉】

 ◇希望 失速に危機感

 「この選挙厳しいです! 準備もままならないところで本番になった」。希望の党の小池百合子代表は11日、栃木県那須塩原市の街頭演説で訴えた。

 転機は小池氏の「排除」発言だった。民進党出身議員を選別したことで、野党側が混乱している印象を与えた。公認候補の一人は「あれがターニングポイントになって雰囲気が変わった」と話す。

 小池氏頼りが前提の党だけに、党勢も小池氏の言動に左右される。党幹部は「前は上空の乱気流だったが、今は地上まで降りて気流が乱れている」と自嘲気味だ。予想外の伸び悩みに早くも内部から不協和音も聞こえる。党関係者は「候補にも誰だかよく分からない人が結構いる。小池氏に近い人を優先しすぎた」と不満げに語る。

 結党メンバーの細野豪志元環境相は記者団に「これだけ悪く言われるのは注目されているからだ。きちんと応えられればこれから浮上する可能性は大いにある」と強調するが、表情は厳しかった。

 一方、立憲民主党は勢いづいている。枝野幸男代表は千葉県浦安市で記者団に「今までに考えられないぐらいの良い反応を頂いている」と語った。

 ただ、与党を足止めするまでには至っておらず、野党が分裂したことを悔やむ声も強い。立憲と共闘を組む共産党幹部は「野党が一本化できずに、希望、立憲、共産と分散すれば、自民党と公明党ががっちりやっているところはひっくりかえせない」と嘆いた。【光田宗義、松井豊】

毎日新聞

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