衆院選:新区割り、浸透多難 東京は21選挙区で

2017/10/12 11:55 

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 10日公示された衆院選は「1票の格差」是正のための改正公職選挙法に基づく初の衆院選となる。小選挙区が青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で一つずつ減るなど19都道府県の計97選挙区で区割りが変更された。中でも東京都は25選挙区のうち21選挙区で変更がなされ、陣営はもちろん、選挙管理委員会と有権者も「周知期間が短すぎる」と困惑を隠せないでいる。【五味香織、後藤豪】

 都内の区割り変更の象徴的な選挙区の一つが東京10区。これまで繁華街の池袋を抱える豊島区全域と、練馬区の一部で構成されていたが、区割り変更で新たに中野、新宿両区の一部が加わり、四つの区にまたがることになった。豊島区も初めて分割され、有権者の3割にあたる約7万3000人が隣の12区(北区など)に編入された。

 豊島区は開票所を2施設に分け、開票作業に携わる職員らスタッフを6割増やす。また、期日前投票所のうち、池袋駅と直結する西武百貨店を12区、東武百貨店を10区に分けることにした。

 両百貨店は2016年の参院選から期日前投票所の設置を始めた。有権者の利便性が高く、店側も集客効果が見込めるため、「一挙両得」の取り組みだった。今年7月の東京都議選では、期日前投票をした人の約53%が両百貨店で行っていた。区選管の担当者は「スペースの都合や間違い防止のため、1店で10区と12区の二つの選挙区分を設置するのは難しかった」と説明する。区内の有権者に郵送する投票所入場券には案内のチラシを同封するが、どこまで周知が行き届くかは「分からない」と心配する。

 区割り変更は、候補者の自宅にも影響した。10区に立候補した新人は、豊島区内で生まれ育ち、昨年10月の衆院補選では「地元出身」をアピールした。しかし自宅は12区に編入されており、自分自身に投票できない。実家や親族宅も12区に移り、「確実に投票してもらえる票を失ったのは痛い」と唇をかむ。

 7区(中野区、渋谷区など)に立候補している前職も40年以上、暮らしてきた中野区の自宅が10区に編入された。本人は「何という区割りなんだという思いは残る。住民票だけ7区に移したら『生活実態がない』と批判されるだろうし……」と嘆く。

 首都圏で区割りが変更されたのは東京の21選挙区のほか、埼玉県で6、神奈川県で8、千葉県で2。複数の選挙区にまたがる自治体では、公示前から同じ党の各候補者が街頭演説で一緒にマイクを握るなどして、有権者に区割り変更をPRするのに躍起だ。

毎日新聞

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