西日本豪雨:母の日の写真、最期に 流された実家の跡で涙

2018/07/12 22:40 

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 ◇広島の梅河団地 土砂崩れで甚大な被害

 「最後は『お父ちゃん、助けて』って言ったんじゃないかな」。土砂崩れで甚大な被害が出ている、広島市安芸区矢野東の梅河(うめごう)団地。ここで犠牲になった田中美智子さん(79)の長男美樹雄さん(48)=同区=は12日、流された実家の跡を初めて訪れ、涙を流した。

 美智子さんは夫の実さんを15年前に亡くした。6日午後9時ごろ、美樹雄さんは豪雨で1人暮らしの母が心配になり電話をかけたが、つながらなかった。

 警察から連絡を受け、遺体の身元を確認するため市内の病院に駆けつけた。今年の母の日、梅河団地の家を訪ねてカーネーションを贈り、その時に一緒に撮った写真が、身元確認に使われた。「普段は写真なんて撮らないのに、何かの暗示だったのかな」

 母が生前、よく仏壇の前で亡き夫に話しかけていたことを、美樹雄さんは覚えている。11日には葬儀を終えたが、年金の解約の手続きなどに追われ、まだ母の死を実感できないでいるという。12日、実家の跡で遺品を探しながら、自分を納得させるように言った。「お父ちゃんも、そろそろさみしがっているだろうし」【大西岳彦】

毎日新聞

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