京大チーム:iPS細胞から大量の血小板を作製

2018/07/13 00:08 

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 人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の巨核球(血小板を作る細胞)から、輸血に必要な量(1000億個以上)の質の高い血小板を作ることに成功したと、京都大iPS細胞研究所(CiRA)などのチームが発表した。従来あったiPS細胞由来の血小板は量も品質も輸血に使えるレベルではなかった。チームは血流の乱れ(乱流)が巨核球からの血小板生成を促していることを突き止め、乱流を発生する培養器を開発し、高品質の血小板を短期間で大量に作製できたとしている。成果は13日、米科学誌「セル」電子版に掲載される。

 血小板は止血の働きがあり、血友病の治療や手術などに使われる。献血でまかなわれるが、感染症のリスクや保存期間の問題もあり、無菌状態で製造できるiPS細胞由来の血小板が期待されている。

 チームはこれまでもiPS細胞から巨核球を作製していたが、そこから血小板を作るには3週間以上かかるうえ1回の輸血量には到底足りず、治療に使える品質でもなかった。

 そこで、マウスの骨髄で血小板が産生される様子に注目すると、血流中で乱流が発生する時に巨核球から血小板が作られていた。乱流を発生する培養装置を作り巨核球を培養したところ、高品質の血小板が大量にできた。これをマウスとウサギに投与すると止血効果が確認できた。乱流によって巨核球から放出される因子が血小板生成を促進していることも分かったという。

 CiRAの江藤浩之教授は「今後は効率の良い血小板の分離・濃縮方法を開発したい」としている。【菅沼舞】

毎日新聞

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