五輪ジャンプ:最高の「お姫様だっこ」高梨、コーチと絆

2018/02/13 10:42 

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 【平昌・江連能弘】流した涙の理由が、4年前とは違っていた。平昌冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプ女子で高梨沙羅(21)=クラレ=が12日夜、自身2度目の五輪挑戦で初のメダル獲得となる3位になった。4年前の悔しさ、今季の不振−−。さまざまな思いを抱えながら海外の強豪に食い下がり、表彰台を射止めた。重圧から解放された涙が、心地よく頬を伝った。

 会心のジャンプになった2回目を着地した瞬間、白い歯がこぼれると同時に、涙腺が緩んだ。すぐにチームメートの伊藤有希(23)=土屋ホーム=が抱きついてきた。4年前、金メダルを確実視された高梨は4位、伊藤は7位に終わったソチ五輪の会場で試合直後、「4年後、頑張ろう」と誓い合った2人だ。この日、伊藤は自身の目標に届かず9位に終わった悔しさがありながら、高梨を祝福した。「沙羅ちゃんはこの4年間ずっと苦しんできたと思うので、メダルが取れて本当に良かった」と、こちらも涙が止まらなかった。

 前回五輪より「緊張感があった」という高梨だったが、不安の影が消え、入れ込みすぎることもなく、この場所までたどり着いた自分を信じる顔になっていた。日本の女子ジャンプ界のパイオニアで、高梨が尊敬する山田いずみコーチ(39)からは「何より顔がいい。ソチ五輪の時の顔よりも、私は今の顔の方が好きだよ」と言われたという。

 試合後、テレビや新聞の取材エリアを抜けた先で、山田コーチが待っていた。前回は新人指導者として高梨を支えきれず、ともに涙に暮れた山田コーチは高梨を抱き上げて「お姫様だっこ」をした。2012年3月、このシーズンに創設された女子のワールドカップで高梨が初優勝した時と同じポーズだ。本来は金メダルを取ったらするつもりだったが、十分だった。

 笑顔と涙が同居した高梨。「4年前の自分にどう声を掛けるか」と問われると、こう言った。「楽しんで飛べたよと言いたいです」−−。

毎日新聞

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