みたことがない食べ物を10品集めたら話題性がすごかった

2018/07/04 11:00 

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はっけんの水曜日
 

みたことがない食べ物を10品集めたら話題性がすごかった

なんだろう、これは
なんだろう、これは
高級スーパーやデパ地下に行くとたまに「なんだろうこれは」という食べ物が売られていないか。

高級な食べ物というのはつまり高品質ということだと思うのだが、高級の方向として新規性の高さみたいなものもある。

味のおいしさは担保しつつ、形状やコンセプトに工夫をこらす価値観である。

二度見して「なんだこれ…?」と言い、そして食べるとおいしい。それってものすごいエンタメだ。

いろいろと買い集め、みんなで「なにこれ!?」と言い合う会を開いた。
(古賀及子)

「見たことがない」食べ物を探してきてください

会の実施にあたり4人が集まった。まずはそれぞれが以下6軒の百貨店の地下の食品売り場に散り食べ物を買い集める。
・GINZA SIX
・伊勢丹 新宿店
・新宿タカシマヤ
・京王百貨店 新宿店
・小田急百貨店 新宿店
・玉川タカシマヤ
選定のポイントは「これまで見たことがない」ということのみ。

もちろん「見たことがない」というのは主観でしかないのが、ほかのメンバーの共感が得られるよう注意深く選んでもらった。

読者のみなさまにおかれましても「これを見たことがないなんて、なんてかわいそうな人たちでしょう」とお思いのくだりがもしかしたらあるかもしれないが、どうかあたたかい目で見てほしい。
メンバーはライター大北(左)、編集部の藤原(右)とわたし古賀、そしてゲストとして滝戸ドリタさん(中央)に来てもらった
メンバーはライター大北(左)、編集部の藤原(右)とわたし古賀、そしてゲストとして滝戸ドリタさん(中央)に来てもらった
ドリタさんはメディアアーティストなのだが、出版社のマガジンハウス勤務で食にまつわるお仕事も多くその道にはかなり詳しい。

大北くんと私は「なんでもレンジでチンする会」などを通じて食の意外性の発見に日頃取り組んでいる。

藤原くんは普通に生きている人担当として呼んだ。

「見たことがない」の種類

各人買い物をすませ再集合、全10品目が集まった。

そうしてわかったのは「見たことがない」にも程度があるということだ。
・形状が完全に初見(まるで見たことがない)

・形状に覚えがある(ちょっと見たことがある)

・形状は知っている(見たことがある)
なんで「見たことがない」ものを買うというミッションにもかかわらず「ちょっと見たことがある」「見たことがある」ものをメンバーが買ってきたかと言うと、形状以外の部分に見たことのなさが宿っていたのだ。
・形状が完全に初見
→そもそも見たことがない

・形状に覚えがあるが意外性がある
→その発想はなかった

・形状は知っているがコンセプトが初耳
→そういうのがあるのは知らなかった
こんな感じ。

人間には「見たことはある」にもかかわらず「見たことがない」という状況があるということが分かった。

形状は知っているがコンセプトが初耳

ちょっと込み入ってきたので、まずはそんな「見たことはある」にもかかわらず「見たことがない」ものから紹介しよう。
大北
どでーんって出しただけで終わっちゃうやつです。
1人が出したときのほかの3人の「なんだこれ!?」を大事にしたいので、各々隠してもらって一つずつ出していく
1人が出したときのほかの3人の「なんだこれ!?」を大事にしたいので、各々隠してもらって一つずつ出していく
古賀
出オチってこと?

大北
なにかはわかるんですよ。みんな見たことはある。でも「え、そんなのあんの?」っていうのがすごいんです。これ。
大北「『すきやばし次郎』のすし飯のパックです」
大北「『すきやばし次郎』のすし飯のパックです」
すきやばし次郎 鮨めし
新宿タカシマヤで購入
(担当:大北)
ドリタ
えーーー!?!?

古賀
わははははははははは!!

大北
レンジでチンするやつ。玄関あけたら2分ですし飯っていうやつなんですけども。

古賀
これはすごい!!!!!!! 『すきやばし次郎』ってグッズ出したりイメージと違うライセンスビジネスやってるんですよね。でもこういうのもあるのか。知らなった。

大北
これ要る!? って思いましたよ。でも海鮮丼をしたい人には最高かもしれない。スーパーで刺身を買ってこのすし飯させあれば。

ドリタ
うるち米、米酢、砂糖…添加物入ってない。

古賀
へーーー! 良い酢飯なんだ。これはすごい。
いくらですかこれ。

大北
380円。

古賀
安いのか高いのか分からない……。
これはすごいね、確かに。「なにこれ」でしかない。

ドリタ
これ、賞味期限秋まで持ちますよ(撮影は6月)。

藤原
すし飯が秋まで……?

ドリタ
すごい。


「酢飯」という食べ物はものすごくおなじみである。しかし『すきやばし次郎』でご飯パックというコンセプトはあまりにも未知であった。

これだよ、これこれ! という興奮が早くもすごい。こういう意外な世界に驚きたかったのだ。

『コロロ』の上位互換

大北
あと、これちょっとテンション上がって買っちゃったんですけど、買ったあとに、あ、これアレだよなってわかっちゃったんです。
大北「『cororo』です」
大北「『cororo』です」
UHA味覚糖 cororo
新宿タカシマヤで購入
(担当:大北)
古賀
えっ、『コロロ』? ってあの?

藤原
コンビニで売ってるやつですよね。

大北
UHA味覚糖の。

古賀
知ってるよ知ってるよ、おなじみのやつだ。プチってなるやつ。えっ、どういうこと?

大北
「これスーパーとかで売ってますか?」 って聞いたら、この味とか大きさのはコンビニとかスーパーでは売ってないんですよって。

古賀
あっ! 上位互換なのか。あの『コロロ』の高級版なんだ。
一粒が普通の『コロロ』の1.5倍くらいか
一粒が普通の『コロロ』の1.5倍くらいか
ちなみに普通のはこういうパッケージの、見たことあるある(こちらの記事</a>より)
ちなみに普通のはこういうパッケージの、見たことあるある(こちらの記事より)
藤原
普通に売ってるのはもっとしなびた感じですよね

大北
これでひと箱540円。

古賀
わ、じゃあ普通にコンビニで売ってるやつあれ100円ちょいくらいですよね。ずいぶん高い。「なにこれ」だ、これは確かに。

藤原
(食べる)わー。粒!種っぽい!
解剖してみた。こういう粒が入ってます
解剖してみた。こういう粒が入ってます
古賀
おわー! あー! オーケー、オーケー! これは上位だ。粒が入ってる!
普通に売ってる『コロロ』には粒がないんですよ。高級化にあたり種を入れてきたんだ。

藤原
すごい

古賀
『コロロ』を進化させるにはあとは種を入れるしかないもんね。正攻法だ。

大北
1粒……68円くらいですね。

古賀
高級!


酢飯もそうだが、何かが「唐突に高級になる」ということに私たちは慣れておらず驚くのかもしれない。

ちなみにドリタさんは『コロロ』を知らなかった。ドリタさんにとっては全方位で見たことがない食べ物だったといえる。

おせんべいにまさかこれをプリントするとは

古賀
ここでお菓子つながりで私からいいですか!
完全に見たことはあるんです。あるんですが、まさかという展開があって。おせんべいなんですけど。

大北
あ、「お父さんありがとう」って書いてあるやつでしょう(※撮影日が父の日の直前でした)。

古賀
違うんですよ。想像の斜め上をいってるんです。これ。
古賀「これ」
古賀「これ」
大北
浦島太郎の…?
桂新堂 かわいい和
日本の童和 浦島太郎
伊勢丹 新宿店で購入
(担当:古賀)
古賀
これすごくない? 子どもにいじめられてるシーンなんです。このカメのかわいそうな顔!
カメ……!
カメ……!
大北
絵本の1ページ目だ。

古賀
これ一袋で続き物になってて、「こらー」っていう顔の浦島太郎のおせんべいが一緒に入ってるんです。でもこのカメがいじめられてるおせんべいだけ渡されたら「なにこれ」としか言えない。
助ける浦島太郎が袋に一緒に入っているというコンセプト
助ける浦島太郎が袋に一緒に入っている
ドリタ
子ども何人かで分けて食べるみたいなときにこれ渡されたら笑いますよね。

大北
これ印刷なんですかね。

ドリタ
そうですね。フードプリンターっていうのがあるんですよね。

古賀
技術の向上とともにあらわれたナニコレお菓子ですわ。

大北
トリッキーなもの出してきたな……。


浦島太郎はよく知っている昔話だし、えびせんべいももちろん知っている。

しかしそれが合わさるという発想は1ミリもなかった。
知っている者同士が唐突に組み合わさることによってうまれる「なにこれ」もある。

続いてもその唐突に組み合わさるタイプ。しかもさらに上をいくパターンだ。

食べると変態になる、老舗のちゃんとした和菓子

大北
創業慶応元年、京菓子 匠 甘春堂っていう。高島屋の全国の銘菓コーナーのなかでこれが一番の「なんだろうこれは」でした。白寿焼っていう。
焼き物の箱?
焼き物の箱?
京菓子 匠 甘春堂 白寿焼
新宿タカシマヤで購入
(担当:大北)
ドリタ
え、なにこれ? 器?

古賀
なに? なに??

ドリタ
やっぱ器が入ってるの?

古賀
錦松梅なのかな?
んっ?
んっ?
ドリタ
え?

古賀
これ器がお菓子なの!? もしかして

大北
その通りです!

古賀
うわー! 変態! すごい!

大北
これ「このお茶碗でお茶をお楽しみください」って。飲んだあと、乾かしたらもっかいいけるって書いてある
お茶を入れて
お茶を入れて
飲む
飲む
古賀
すごい! こんな文化あんの!

大北
ここにはある。

ドリタ
お茶碗のほかにちゃんとお干菓子の形のお干菓子もついてきてる。

大北
これでお茶を出して、干菓子を食べて、お客さんがお茶飲み終わったら、器も食べられますよっていう。

ドリタ
すごい……。

大北
これの倍の値段するやつもあって、それはもう完全に陶器になってるんですよ

古賀
「へうげもの」の世界観だ。貴族の遊びってこれだ。
(お茶を入れて飲んで)甘い!

大北
飲むときに干菓子のにおいがしますね。

古賀
洒落なわけですよね。

ドリタ
これは感激した……。和菓子の創作性の高さ……。

藤原
盃を交わすようですね。唇があまいです。
どういうことなんだ
どういうことなんだ
ドリタ
(器を食べる)ほんとだ……干菓子だ。

大北
病気みたいですね。


茶碗は見たことはあるが、それが見たことのある茶碗ではなくお菓子なのだ。「なんだろうこれは」にここまでひねりが加わるのかという思いだ。

続いて、「形状に覚えがあるが意外性がある」ことから「なんだろうこれは」と声の出るものをご紹介していきます。そうくるかの連続。
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