自動車業界が中国経済に警戒感 販売見通し引き下げも

2019/02/12 20:53 

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 自動車大手7社の2018年4~12月期連結決算が12日、出そろった。最終(当期)利益は新興国通貨安などの影響で6社が減益となったが、SUBARU(スバル)を除く6社が増収を確保した。ただ、日産自動車が通期業績予想を下方修正するなど、米中貿易戦争による中国経済減速の影響が出始めており、各社は警戒感を強めている。

 日産は12日、19年3月期の連結最終利益予想を従来の5000億円から4100億円に下方修正した。18年度の中国の販売台数見通しを従来の169万5000台から7.7%減の156万4000台に引き下げており、過去最高だった17年度実績を上回るものの、西川広人社長は記者会見で、中国市場が「踊り場に来ている」との認識を示した。

 国内主要7社の売上高は、品質関連問題が相次いだスバルが減収となる一方、東南アジア市場を中心に販売が好調だったトヨタ自動車やスズキは過去最高を記録した。ただ、各社で中国経済減速への懸念は広がっている。

 中国では米国との関係悪化に加え、足元の景気減速が消費者の将来不安をあおり、自動車の買い控えを招いている。18年の新車販売台数は前年比2.8%減の2808万台となり、28年ぶりに前年実績を割り込んだ。ゼネラル・モーターズ(GM)など米国勢の消費者離れが加速しているほか、低価格が売りだった中堅以下の中国地場メーカーも販売が低迷している。

 日本の大手自動車部品メーカーの業績にも影響が出ている。エンジンやモーターの制御装置などを手がけるデンソーは1日、米フォード・モーター向けなどの販売減が90億円の減益要因になるとして、19年3月期の業績予想を下方修正した。変速機が主力のアイシン精機も同日、中国向けの不振で、昨年10月に続き業績予想を引き下げた。

 中国政府は普及に力を入れる電気自動車(EV)など「新エネルギー車」の購入促進や、農村部での買い替え助成、中古車市場の活性化など幅広い対策を盛り込んだ消費刺激策を打ち出しているが、冷え込んだ消費者心理の回復には時間がかかりそうだ。中国自動車工業協会は、今後3年程度は新車販売が横ばい、もしくは減速する厳しい展開が続くと予想する。

 日本の大手自動車各社からも「足元の市場環境の厳しさを一過性と楽観することはできない」(三菱自動車の益子修会長兼最高経営責任者)など、影響の長期化を懸念する声が上がっている。今後の状況次第では、販売戦略の大幅な練り直しを迫られる可能性もある。【松本尚也、小倉祥徳、北京・赤間清広】

毎日新聞

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