米大手11行が苦境の地銀を支援 信用不安抑制に4兆円預金

2023/03/17 06:46 

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 バンク・オブ・アメリカなど米大手銀行11行は16日、経営難に陥っているファースト・リパブリック銀行に計300億ドル(約4兆円)の無保険の預金をすると発表した。同行は全米14位で、カリフォルニア州に拠点を置く。全米16位のシリコンバレー銀行など2行の経営破綻を機に預金が流出し、株価も暴落していた。預金を積み増し、手元資金を潤沢にすることで、信用不安の拡大を封じる狙いがある。

 全米上位4行のバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴがそれぞれ50億ドルずつ分担。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは25億ドルずつ、残り50億ドルをPNC銀行など5行が10億ドルずつ分担する。最低でも120日間はファースト・リパブリック銀行に預けたままにしておく。

 11行は発表文で「地銀や中堅・小規模行は、金融システムの健全性にとって極めて重要だ」と支援を惜しまない考えを強調した。イエレン米財務長官は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長らとの共同声明で「大手行による支援を歓迎する。銀行システムの強じんさを示すものだ」と述べた。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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