バイデン氏「銀行幹部の罰則強化を」 経営破綻受け議会に法改正要請

2023/03/18 03:00 

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 バイデン米大統領は17日、カリフォルニア州に拠点を置く米中堅のシリコンバレー銀行(SVB)など2行が相次いで経営破綻した問題を受け、金融規制当局の権限を強め、経営判断を誤った銀行幹部への罰則を強化する法改正を米議会に求めた。

 バイデン氏は声明で「現行法では、経営者の責任を追及する権限が制限されている。経営判断を誤ったり、過剰なリスクを取ることで銀行が破綻した場合、規制当局が銀行幹部から報酬を取り戻したり、民事罰を科したり、再び銀行業界で働くのを禁止したりしやすくすべきだ」と主張。「議会は誤った経営で銀行を破綻させた銀行幹部に対し、より厳しい罰則を科すため行動しなければならない」と求めた。

 SVBは顧客から集めた預金の大半を米国債で運用し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに伴う国債価格の下落で多額の損失を被った。経営不安の高まったSVBから預金が流出し、10日に経営破綻に追い込まれた。12日にはニューヨーク州に拠点を置くシグネチャー銀行も預金流出に見舞われて破綻した。

 金融システムの不安定化を懸念したバイデン政権は12日、SVBとシグネチャー銀の預金を全額保護する異例の措置に踏み切った。しかし、経営幹部が多額の報酬を得ている金融業界への支援に対し、民主党左派を中心に世論の批判は強く、バイデン氏は銀行幹部に対する厳格な姿勢を明確にする必要に迫られた格好だ。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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