陳列棚を「絵文字」が案内 高齢者らが「スローショッピング」体験

2024/12/14 14:30 

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 コンビニ大手のファミリーマート(東京都港区)は、認知症や高齢などの人が周囲に気兼ねなく、買い物を楽しむ「スローショッピング」の体験会を大分県由布市の由布狭間店で開いた。店内にピクトグラム(絵文字)を設置するなどして商品の陳列場所を分かりやすく示し、買い物を終えた体験者からは笑みがこぼれた。

 同社は、買い物が難しいと感じる人にとっての快適な環境を探るため、7月に鳥取県倉吉市内の店舗で体験会を実施。今回2例目で、九州地方では初となる。

 食品や飲料、日用品などを示すピクトグラムを店内各所に設置した他、買い物かごと共に店内の地図も配布。混乱せず商品にたどり着けるよう工夫した。

 また、2台あるレジのうち1台を、会計に時間がかけられる優先レジとし、お金の受け渡しがしやすいようトレーも通常より大きいサイズにした。

 体験会には、由布市の介護老人保健施設、健寿荘でサービスを受ける4人が参加。ケアマネジャーらと約20分かけて店内を回り、スナック菓子やスイーツなどを吟味して買い物かごに入れ、会計を済ませた。参加した工藤章子さん(81)は「ゆっくり買い物ができた。レジが便利で良かった」と笑顔で話した。

 同社大分営業所の岩見英二さんは「コンパクトな店舗の中にいろいろな商品があるコンビニは、少しの移動で買い物ができるという利点がある。『買い物弱者』と呼ばれる人でも安心して使える店舗づくりを行っていく」と語った。【山口泰輝】

毎日新聞

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