みずほ銀行の貸金庫窃盗、頭取が謝罪 関与の元行員は19年に解雇

2025/02/27 11:35 

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 みずほ銀行は27日、元行員が支店の貸金庫から顧客の現金を盗んだ問題で、被害額は6600万円に上り、元行員は広尾支店(東京)に勤務していた女性だと明らかにした。

 みずほ銀行によると、広尾支店渉外課の元女性行員(当時30代)は2016~19年、顧客の申し出があったと装って貸金庫の鍵を持ち出し、現金計6600万円を盗み出したという。

 これとは別に、女性は融資を装って支店の資金約5200万円を着服した事件に関与したとして、19年10月に懲戒解雇処分を受け、警視庁に逮捕されたという。

 この着服事件を行内調査するなかで、貸金庫の事案が浮上。盗んだ金は服の購入や旅行などに使っていたという。

 みずほ銀行は18日、元行員が支店の貸金庫から顧客2人の現金数千万円を盗んでいたと発表したが、元行員の役職など、詳細は明らかにしていなかった。

 27日朝に報道陣の取材に応じた加藤勝彦頭取は「お客さまに不安を与えてしまい大変申し訳ない」と陳謝した。「(18日の)公表内容が不十分だったという指摘もあり、もう一歩踏み込んだ説明をすべきだと判断した」と話した。

 事案が発覚した19年当時に非公表とした理由については「一部の顧客が公表を望まれなかったため」と説明した。

 貸金庫を巡っては、三菱UFJ銀行でも元行員による巨額の窃盗事件が起きており、各地の金融機関で管理体制や事業を見直す動きが広がっている。【成澤隼人】

毎日新聞

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