京急と京成、車両・設備の共通化検討 コスト抑え沿線価値の向上図る

2025/11/12 16:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 京浜急行電鉄(横浜市西区)と京成電鉄(千葉県市川市)は、車両や設備の共通化に向けた検討を始めた。10月末に合意書を締結した。互いに労働力不足や物価高の課題に直面しており、コストを抑制しながら持続可能な鉄道の実現や沿線価値向上につなげるのが狙い。

 京急と京成はそれぞれ羽田空港と成田空港へのアクセスを担い、東京都営地下鉄を介して相互乗り入れを実施している。

 両社はインバウンド(訪日外国人)需要の高まりで輸送人員が増えている一方、労働力の確保などが課題になっている。次世代運行システム導入に向け、車両や地上設備の共通化を検討する。

 京成は現在、成田空港から都心を結ぶ有料特急「スカイライナー」を運行しているが、2028年度に成田空港―押上間で新型有料特急の導入を予定している。京急も利便性向上に向けた新たな輸送サービスの検討を始めており、この新型特急との共通化の検討も進める。

 合意の一環として、両社の株主優待制度の相互連携を26年から開始する。京成の株主優待乗車券を、京急の企画乗車券「みさきまぐろきっぷ」に交換できるようになるという。

 また両社の相互送客の推進策として、川崎大師や成田山新勝寺など沿線にある神社仏閣のスタンプラリーを開催する方針。【蓬田正志】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース