日本郵政・根岸社長、法令順守徹底へ新組織 郵便局網維持へAIも

2025/12/09 12:58 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本郵政の根岸一行社長は毎日新聞などのインタビューに応じ、日本郵便の不適切点呼問題を受け、各郵便局を管理する組織を整備する方針を明らかにした。法令順守を徹底する体制をつくる。また過疎地域などの郵便局網維持のため、人工知能(AI)の活用を進めていく考えも示した。

 日本郵政は11月、2026年4月から3カ年の中期経営計画を発表し、経営の最重要課題として「コンプライアンス・ガバナンスの強化」を掲げた。

 これまで社内の組織風土や意識改革、内部通報制度の充実を進めてきたが、根岸氏は「表面的な対応で、深度のある取り組みになっていなかった」と述べ、法令順守の仕組みが郵便局の実務に十分組み込まれていなかったと総括。そのため郵便局を管理する新組織を置き、担当者が複数の郵便局を巡回し、助言する体制に改める。

 また、人口減に伴い職員の確保が難しくなるなか、過疎地では郵便局が地域の重要なインフラになっていることから、根岸氏は郵便局網維持を最優先し、半日営業や業務分担で運営効率を高めるという。そのうえで「やはりAIなどの活用は必要だ」と述べ、AIを用いた窓口対応やセルフ手続きの導入を検討するほか、集配ではドローンや自動運転技術の実証を進めていくとした。【植田憲尚】

毎日新聞

経済

経済一覧>