1月29日に74歳で膵臓がんのため死去した、シーナ＆ロケッツ・鮎川誠さんの密着ドキュメンタリー『シーナ＆ロケッツ　鮎川誠と家族が見た夢』が19日、都内にて開催された『TBSドキュメンタリー映画祭2023』で上映。舞台あいさつにはボーカリスト・ルーシーとして鮎川さんとステージに立っていた三女・知慧子も登場し、5月2日に開催される追悼ライブへの思いを語った。

【集合ショット】黒の革ジャンでそろった鮎川誠さんの娘たち&お孫さん

　冒頭、知慧子は「今日この場に立っているのは、本当なら鮎川誠本人だった」と惜しみながら、「寺井（到）監督はもう何年にもわたってライブを一緒に回ってくれて、こうして熱のこもった作品を作ってくださった」と感謝した。

　バンドはきのう18日、追悼ライブ『鮎川誠 追悼ライブ ＜音楽葬＞』を鮎川さんの誕生日である5月2日に開催すると発表していたが、知慧子さんは改めて「父の追悼ライブを、下北沢のシャングリラでやることにしました」と宣言。

　開催決定まで「シーナ＆ロケッツはお父さんがいないと厳しいというか…そんな気持ちになれなかったんです」と複雑な心境も告白しつつ、「でも、やっぱりやったほうがいいよねと。（当日は）縁のあるギタリストの方をお招きしたりして、開催しようと思います」と前を向いた。

　そして「父と母の愛した音楽は、本当に温かいもので、愛にあふれていて。それはこの先も生き続けるものだと思っているので、1人でも多くの人に伝えていきたい」と力強く語り、「『また観られてうれしい！』という気持ちになってもらえるように、頑張ってやっていきたい。よかったら遊びに来てください」とファンに呼びかけた。

　舞台あいさつには、画家の長女・陽子、シーナ＆ロケッツのマネージャーを務めている次女・純子、孫の唯子さん、寺井到監督も登壇した。

　鮎川さんは1948年5月2日生まれ、福岡県出身。ロックバンド、シーナ＆ザ・ロケッツのギタリスト。黒いサングラスをトレードマークに、日本を代表するギタリストとして活躍。「涙のハイウェイ」でデビュー。79年に「ユー・メイ・ドリーム」がヒット。妻は同バンドのボーカルを担当し、2015年に死去したシーナさん。

　公私にわたるパートナーを失った鮎川さんは、バンドとしてそれまで以上にライブ活動に力を入れた。「ステージに立つとシーナがそこにいるから」という鮎川さんを、純子さんがマネージャーとして支え、末娘のルーシーがボーカルを務めた。

　昨年5月に膵臓がんが発覚するも一切公表せず、45周年記念ライブの開催や47都道府県ツアー、沖縄・宮古島でのライブ、ロンドンナイトのクリスマスなど、精力的なライブ活動を続け、今年1月29日に永眠した。

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