アルビノの小学生息子、「なんで白いの?」の疑問に母の想い…特別ではない「自分の色が好き」に

2025/08/08 08:20 

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アルビノで生まれてきたりっくん

 プリントに目を近づけて必死に勉強をしている小学生の男の子・りっくん。生まれつき肌や目の色、毛髪の色素が薄い“アルビノ”という遺伝子疾患を持ち、弱視の症状により、視力は眼鏡をかけても0.1程度しかないという。そんなりっくんが勉強に励む姿が11.6万回再生を超える反響を呼び、「どんどん素敵男子になってきてる」「頑張って勉強してる姿かっこいい」などとコメントが寄せられた。アルビノの子どもとの向き合い方や普段の様子などについて、お母さんに話を聞いた。

【写真】天使降臨! 赤ちゃんから小学校入学…現在までりっくんの成長記録

◆「弟がアルビノなんだよ」学校で誇らしげに語るきょうだいたち

――りっくんが誕生し、アルビノであると知った際、ご家族はどのように感じたのでしょうか?

「りっくんが生まれた瞬間、真っ白な髪やまつ毛や眉毛を見て、ただただ驚きました。その時はまだ『アルビノ』の知識もなく、病気なのか、健康に問題があるのか、と不安ばかりが募っていました。診断を受けてからも『将来は見えるようになるのか?』『歩けるのか?』『外に出ても大丈夫なのか?』と毎日が心配でいっぱいでした」

――不安とはどのように向き合っていたのですか?

「紫外線が怖くて、ずっとカーテンを閉め切って家の中にこもっていた時期もありました。でも、少しずつ正しい情報を知っていく中で、そして何より、りっくんが笑って元気に育っていく姿を見て、『この子はこのままで大丈夫なんだ』と自然に思えるようになりました」

――りっくんは8人きょうだいの6番目として生まれました。ほかのきょうだいには、りっくんについてどのように説明したのでしょうか?

「特別に説明するというより、『りっくんは白い髪で生まれてきたんだよ』と自然に伝えました。『なんで白いの?』と聞かれることはありましたが、それ以上に『かわいい!』『白くて天使みたい』といった言葉のほうが多く、上の子たちも特に構えることなく、いつも通りに接してくれていました」

――きょうだいの関係性は?

「きょうだい間では、りっくんの見た目の違いを特別としてではなく、そのままのりっくんとして受け止めてくれていたように感じます。上の子が学校で『弟がアルビノなんだよ』と誇らしげに話してくれた時は、思わず涙が出るほどうれしかったです。子どもたちのまっすぐな優しさに、私たち大人が学ばされることも多いです」

◆「白い髪が大好き」アルビノであることが、自分のそのものとして根付いている

――りっくん本人には、アルビノであることを何歳の時に伝えたのですか?

「はっきりと『アルビノ』という言葉を伝えたのは幼稚園の頃です。お友達との違いに気づき、『なんでりっくんは白いと?』と聞いてきました。その時に、『りっくんは生まれた時から白いんよ。でも、みんな違って当たり前なんだよ』と話しました。『りっくんの白い髪、とっても素敵やん! かっこいいよ』と前向きな言葉を添えながら。そして、SNSで『かわいいね』『かっこいいね』と言っていただいたコメントを一緒に見て、『みんながりっくんのことを“素敵”って言ってくれよるね』と伝えました」

――りっくん自身はどのような反応をしていますか?

「いまではりっくん自身が、『自分の色が好き』『白い髪が大好き』とよく話してくれます。りっくんにとってそれが特別ではなく、自分そのものとして根付いているんだなと感じます」

◆弱視による見えづらさや紫外線対策も…学校生活での対応は?

――SNSでは、プリントに目を近づけて必死に勉強をしている姿が、注目を集めました。Instagramでは「弱視の見えづらさは本人にしか分からない」「りっくん自身も正常な見え方を知らないから言語化ができない」と弱視について投稿していましたが、小学校ではどのように過ごしているのでしょうか?

「弱視(眼鏡をかけても視力が十分でない場合)のため、座席はなるべく前方にしていただいています。プリントなどは拡大印刷をお願いし、タブレットの活用なども進めていただいています。ただ、本人が『これが見えづらい』と明確に伝えるのが難しいこともあるため、先生方と連携しながら日々少しずつ調整している状況です」

――眩しさへの対策は?

「眩しさについては、遮光眼鏡を使用しています。教室の照明や外からの光が強いときは、カーテンを先生がそっと閉めてくださっているようです。そうしたお気遣いにも感謝しています。また、視力補助具として、単眼鏡の練習も少しずつ進めているところです。学校側がとても丁寧に対応してくださっており、おかげさまで安心して通学できています」

――連日猛暑日が続く中、紫外線対策など、夏はどのように過ごしていますか?

「日焼け止めをこまめに塗り直したり、帽子を被ったりと、日常的に対策を行っています。長時間の屋外活動がある日は、本人にも長袖の着用を促し、学校側にもあらかじめその旨を伝えて対応をお願いしています。また、活動内容や日差しの強さに応じて、都度学校と相談しながら柔軟に対応するようにしています」
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