北朝鮮「SLBM」発射で安保理が非公開会合 非難声明出せず

2019/10/09 10:33 

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 国連安全保障理事会は8日、北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験について非公開会合で協議した。会合後、安保理理事国の英仏独など欧州6カ国が「挑発的な行動を非難する」とする共同声明を発表。だが、米国が米朝協議の進展を重視していることもあり、安保理が一致して非難する声明は出なかった。

 声明には会合を要請した英仏独の他、ベルギーとポーランドの理事国5カ国と、来年1月から安保理入りするエストニアも加わった。北朝鮮が今年5月から続ける一連の短距離ミサイルなどの発射実験が、いかなる弾道ミサイルの発射も禁じた安保理決議に「明確に違反している」と改めて批判。対北朝鮮制裁が「完全かつ厳格に」履行されるべきだと訴え、決議無視が繰り返されていることに強い懸念を示した。

 今月5日にスウェーデンで行われた米朝実務者協議は物別れに終わった。安保理議長国の南アフリカのマティラ国連大使は、記者団に「安保理は北朝鮮と米国に協議に戻るよう促す」と述べた。また、安保理外交筋は「会合では米国も、北朝鮮との対話を進めたいと強調した」と説明。一方、北朝鮮に対する新たな制裁などは議論にならなかったという。

 トランプ米政権は、北朝鮮の長距離以外のミサイル発射実験を問題視しない姿勢を崩していない。今回は発射の兆候がつかみにくいSLBMの実験で、軍事的脅威を高める行為だが、それを非難する理事国にも米朝協議の進展を見守るしかないとの見方が強く、ジレンマに陥っている。

 一連のミサイル発射に関する安保理会合は今回が3回目だが、米国と、対米関係を重視する日本はいずれも開催要請には加わっていない。ただ、別所浩郎国連大使は4日の記者会見で「(今回の)発射が明らかになった直後から米国や英独仏とはさまざまな話し合いを続けている」と述べ、会合開催を働きかけたことを示唆した。【ニューヨーク隅俊之】

毎日新聞

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