中国の原子力潜水艦沈没報道 専門家「放射漏れのリスクは低い」

2024/09/27 17:24 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、複数の米政府当局者の話として、中国で5月下旬から6月上旬にかけて、最新鋭の原子力潜水艦が沈没したと報じた。中国当局は沈没を公表せず、隠蔽(いんぺい)したという。海軍の増強に動いている中国にとって痛手とみられる。専門家は同紙に「航海前だったため、放射漏れのリスクは低い」との見方を示した。

 報道によると、沈没したのは、中国の国営企業が製造した攻撃型原子力潜水艦「周」級の1番艦。5月下旬の衛星写真では、湖北省武漢市の長江に面した造船所で最終整備が行われているのが確認された。

 一方、6月下旬の衛星写真には、大型クレーンで沈没した潜水艦を川底から引き揚げる様子が写っていた。航海できるようになるまでは数カ月かかる可能性が高いという。死傷者の有無は明らかになっていない。

 米政府当局者は同紙に対し、中国側が水や周辺の環境を調査するなど放射能汚染について調べた形跡は確認できていないと説明。沈没時に核燃料を積んでいたかどうかも不明だが、専門家は積載していた可能性が高いとみているという。

 米シンクタンク「ヘリテージ財団」の専門家は「(今回の沈没で)中国の原子力潜水艦の増強計画は遅れるだろう」との見方を示した。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース