石炭火力発電、新設停止呼びかける連合体発足 EUなど、日本は不参加
英国やオーストラリアなど25カ国と欧州連合(EU)は20日、世界の平均気温を産業革命前から1・5度上昇に抑える共通目標実現のため、石炭火力発電所の新規建設停止を呼びかける連合体を立ち上げた。アゼルバイジャン・バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で表明した。日本は参加していない。
表明文によると、賛同国・地域は「二酸化炭素(CO2)排出削減対策が講じられていない石炭火力を新設しない」という方針を、気候変動やエネルギーに関するそれぞれの国家計画に反映させる。クリーンエネルギーへの移行にあたっては、石炭関連作業の労働者や地域社会が不利益を被らないよう支援する。2025年のCOP30までに、世界の全ての国が石炭火力の新設停止を表明するよう呼びかけていくという。
賛同国カナダのギルボー環境・気候変動相は「石炭火力の段階的廃止は気候変動との闘いにおいて、我々ができる最も重要なことの一つだ。廃止は気候にも経済にとっても望ましい」とコメントした。
日本など主要7カ国(G7)は今年6月の首脳会議で、排出削減対策が講じられていない石炭火力を30年代前半に段階的に廃止することに合意している。今回、日本が参加を見送ったことについて、浅尾慶一郎環境相は「エネルギー安全保障への影響など総合的に判断した」と述べた。【バクー山口智】
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