米永住権のゴールドカード構想「100万枚売れる」 不可能と指摘も

2025/02/27 16:45 

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 トランプ米大統領は、米国内で500万ドル(約7億5000万円)の投資をすれば永住権を与える「ゴールドカード」を発行する構想を明らかにした。世界の富裕層を対象に大量販売する考えで、ロシアのプーチン政権を資金面で支えているとされる「オリガルヒ」(新興財閥)も対象になるとの認識を示した。

 米国では、海外投資家が永住権(グリーンカード)を取得するための「EB―5」と呼ばれるビザが設けられている。「米国への80万ドルの事業投資と10人の雇用創出(2年以内)」などが条件で、主に富裕層が申請している。

 トランプ氏は25日、記者団に「非常にうまい考えがある。ゴールドカードを販売するのだ。500万ドルの値段でグリーンカードの特権を与える」と述べ、EB-5ビザを廃止する代わりにゴールドカードを発売する考えを表明した。

 「100万枚以上売れる。それで5兆ドルになる」と語り、販売収入を米財政赤字の穴埋めに充てる考えを示した。呼称を「トランプ・ゴールドカード」にしてよいとも述べた。

 トランプ氏は「何人かのオリガルヒを知っているが、好人物だ。以前ほど裕福ではないかもしれないが、彼らにも資格がある」と明言。カネさえ用意できればオリガルヒにもゴールドカードを販売する考えを示した。

 トランプ氏は、ゴールドカードの制度創設に議会の立法手続きは不要で、2週間以内に発行すると述べた。

 しかし、米シンクタンクのケイトー研究所は「議会の定めたEB―5ビザの廃止や、議会の定めた上限を超えたグリーンカードの販売は合法的でない」と指摘。EB-5の年間取得希望者は5000人未満で、トランプ氏の掲げる100万枚販売は「不可能」との見方も示した。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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