ミャンマー特殊詐欺拠点 電気・ガソリン停止で市民生活にも影響

2025/02/27 18:00 

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 ミャンマー東部カイン州で外国人が特殊詐欺などに加担させられている問題で、国境を接するタイ政府が電気や燃料の供給を停止した影響がミャンマーの市民生活にも出ている。タイ北西部メソトのガソリンスタンドでは27日、ミャンマーナンバーの乗用車が列を作っていた。

 カイン州ミャワディから乗用車を運転してきた20代の女性は「ガソリンがなくなると移動手段に困るので買いにきた。ミャンマー側でも少しは出回っているが、闇市なので2倍近くする」と話した。燃料の転売が横行しているといい、ガソリンスタンドの従業員は「毎日通ってくる車も多い。犯罪グループの中国人がミャンマー人にタイで燃料を買ってくるように指示しているとも聞いた」と明かした。

 国境地帯は以前から貿易が盛んで、食料品などの他に電気や燃料が越境して供給されてきた。犯罪拠点にも流れているとの指摘を受け、タイ政府は5日に電気などの供給を停止。病院などにも影響が出ているという。代用の発電機を動かすためにも燃料の需要が高まり、タイ側で入手しようとする人が増えた。

 犯罪拠点があるとされるカイン州シュエココでは夜間も明かりが数えるほどに減った。国境を挟んだタイ側で飲食店を経営する女性は「以前はネオンがともり、レストランから音楽も聞こえていたが途絶えた。ただ、発電機もあり、犯罪グループはすぐに抜け道を見つけると思う」と話した。【メソト武内彩】

毎日新聞

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