パキスタン南西部バルチスタン州で１１日、武装勢力が乗客４４０人を乗せた列車を襲撃した事件で、治安当局は１２日夜、武装勢力の３３人全員を殺害して乗客の救出作戦を完了したが、武装勢力によって人質２１人が殺害されたと発表した。

　地元メディアによると、武装勢力は１１日午後１時ごろに線路を爆破し、列車を止めて乗っ取った。州の独立を目指す過激派「バルチ解放軍（ＢＬＡ）」が犯行声明を出し、当局に拘束された仲間を４８時間以内に解放するよう要求した。メンバーは自爆ベストを着用して乗客を盾にし、治安部隊とにらみ合いを続けた。ロイター通信によると、ＢＬＡは乗客５０人を殺害したと主張していた。

　ＢＬＡはパキスタン治安当局を狙ったテロ事件を繰り返してきた。２０２４年１１月にもバルチスタン州の州都クエッタの駅で自爆テロ事件を起こし、少なくとも２６人が死亡した。【ニューデリー川上珠実】