イスラエルにガザ人道支援の制限解除を要求 国連総会決議

2025/06/13 10:00 

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 国連総会(193カ国)は12日、深刻な人道危機が続くパレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦と支援物資の搬入に対する制限解除を求める決議案を、149カ国の賛成で採択した。米国とイスラエルなど12カ国は反対し、19カ国が棄権した。総会決議に拘束力はないが、全加盟国の総意を示す政治的な重みを持つ。

 決議は、すべての当事者に即時、無条件かつ恒久的な停戦を求めた。また、イスラエルを念頭に「民間人の飢餓を戦争手段に使用し、人道支援へのアクセスを違法に拒む行為を強く非難する」と明記した。

 決議案はスペインが提出し、日本は賛成した。

 米国は反対理由で「決議案に(ガザ地区のイスラム組織)ハマスへの批判がなく、受け入れられない」と述べた。イスラエルのダノン国連大使は「なぜハマスを非難する一言すら加えることができないのか」と批判した。

 パレスチナのマンスール国連大使は「恐ろしい悲劇を終わらせるため、この内容は今すぐに実行されなければならない」と訴えた。

 米ニューヨークでは17日からパレスチナ国家の樹立を前提とした「2国家解決」をテーマにした国際会議が開かれる。ロイター通信によると、米国はこの会議に参加しないよう文書で他国に迫っている。イスラエルの国連代表部は12日、会議への不参加を表明した。

 国連安全保障理事会では今月4日、ガザの即時停戦を求める決議が採決にかけられたが、米国が拒否権を行使して否決された。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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