米下院、1.3兆円歳出削減法案を可決 公共放送と対外援助が対象

2025/07/19 16:31 

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 米連邦下院は18日、歳出を総額約90億ドル(約1兆3400億円)削減する法案を可決した。上院は既に通過しており、トランプ大統領が署名して成立する見通し。歳出削減を進めるトランプ政権の意向を背景に、共和党が反対論を押し切った。今月4日に成立した大型減税を含む法律に続き、トランプ政権にとって「成果」となる。

 削減対象は公共ラジオNPRと公共放送PBSに資金を拠出する米公共放送社(CPB)への11億ドルと、対外援助の80億ドル。これらの支出は3月に成立した「つなぎ予算」にいったん含まれていたが、ホワイトハウスは撤回のための関連法案の可決を求めていた。

 対外援助では、途上国のエイズ予防・治療対策支援の約4億ドルを削減することも一時検討されたが、最終的に継続となった。

 米国では予算編成権を議会が握るため、「憲法が定めた議会の予算編成権をホワイトハウスに譲ることになる」と反対する声が民主党のほか共和党の一部議員にもあったが、上院は17日に賛成51、反対48、下院は18日に賛成216、反対213のいずれも僅差で通過した。

 トランプ政権では「政府効率化省(DOGE)」の主導で、対外援助事業を担う国際開発局(USAID)の解体が進められていた。また、トランプ氏はNPRやPBSの報道を「偏向している」などと非難していた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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