トランプ氏、中国への「フェンタニル関税」全廃も 対策確認で

2025/11/01 20:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は10月31日、合成麻薬フェンタニルの対策不備を理由とする中国への20%の制裁関税について、米国への流入抑止策が具体的に実行されていると確認でき次第、さらに10%引き下げる可能性を示した。30日に韓国で開かれた米中首脳会談で既に20%から10%への引き下げに合意しており、残る10%の引き下げも実現すればフェンタニル関連の関税は全廃され、米中貿易摩擦の緩和が一段と進むことになる。

 大統領専用機内で記者団に語った。トランプ氏は中国に対し、フェンタニルの流入抑止と根絶に向けた「強力なインセンティブ(動機付け)」を提供したと発言した。それを基に「中国は真剣に取り組んでいる」と評価したうえで、「(取り締まりを)確認したら、残る10%をすぐに撤廃する」との意向を示した。

 米国は中国に対し、フェンタニル関連の関税のほか計34%の「相互関税」を設定している。このうち24%の発動を11月10日まで一時停止してきたが、米中首脳会談で1年延長に合意した。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース