APEC首脳会議、初のAI共同ビジョン採択 知的財産保護でも協力

2025/11/02 08:35 

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 1日に韓国南東部・慶州で閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、自由貿易の推進については結束を図れなかった一方で、先端技術協力や知的財産保護の強化を進めることで一致した。また、少子高齢化や都市への人口集中に対応するための共同ビジョン「人口構造変化対応共同フレームワーク」なども示された。

 首脳会議では、人工知能(AI)に関する共同ビジョン「AIイニシアチブ」を採択。AIに関する初めての共同ビジョンで、全ての参加国がAI技術の恩恵を得られるようにするための努力方針が提示された。

 また、首脳会議の総括文書「慶州宣言」では、アジア太平洋地域の新成長の分野として「文化創造産業」が初めて明記され、知的財産権の保護の重要性について盛り込まれた。K-POPやドラマなどのコンテンツ産業で躍進を続ける議長国・韓国の強い意向があったとみられる。

 外務省によると、会議に参加した高市早苗首相は、「ルールに基づく自由で公正な経済秩序」の重要性を指摘。包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)の維持・強化や地域的な包括的経済連携(RCEP)の履行を通じて、貿易・投資を促進していくとした。

 APECは日本や米国、中国、ロシアなど21カ国・地域で構成。来年の首脳会議は11月に中国南部・広東省深圳市で開催される。【慶州・日下部元美】

毎日新聞

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