米州知事、トランプ氏の温暖化対策後退「愚か」 COP30で非難

2025/11/12 10:33 

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 ブラジル北部ベレンで開催中の地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に11日、米西部カリフォルニア州のニューサム知事(民主党)が出席し、「米国はこの問題に関して愚かだが、カリフォルニア州はそうではない」と、温暖化対策に背を向けるトランプ米大統領を繰り返し非難した。

 COP30には、高官を派遣しないトランプ政権に代わって、米国内で脱炭素を推進する州政府や企業などで作る団体「アメリカ・イズ・オール・イン」が100人規模で参加している。2028年大統領選に意欲を示すニューサム氏はこの団体のイベントなどで登壇した。

 ニューサム氏は「カリフォルニア州は連邦政府と一線を画している」と強調。トランプ政権が温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明し、対策を後退させている間に「中国が(再生可能エネルギーなどの)市場を席巻し、次の世界的な主要産業を支配するだろう」と警戒感を示した。その上で「我々は(脱炭素化に)積極的に関与し、競争していく」と宣言した。

 さらに、同州を地盤とした共和党のレーガン、ニクソン元大統領の名を挙げ、共和党政権時代も同州は環境政策に取り組んできたと主張。「(気候変動対策は)イデオロギーではない。経済的な危機だ」と述べ、超党派での取り組みを訴えた。記者団に囲まれたニューサム氏は米国のパリ協定離脱を「歴史的な過ち」と指摘し、COP30の成果に期待すると語った。【ベレン大野友嘉子】

毎日新聞

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