友好国首脳と会談重ねるプーチン氏 和平巡る対米再交渉を前に布石

2025/11/29 18:17 

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 ウクライナでの和平を巡る米国とロシアの再交渉が来週前半に予定される中、プーチン露大統領は友好国の首脳らと会談を重ねている。自国の主張への理解を広げる狙いがあるとみられる。

 露大統領府の発表によると、プーチン氏は来週後半の12月4~5日には、露産原油大口購入国のインドを前回の2021年12月以来、4年ぶりに訪問する。

 プーチン氏は28日はハンガリーのオルバン首相をモスクワの大統領府に迎え、双方の閣僚を交えて会談した。オルバン氏は、欧州首脳の中で突出して親露的な姿勢をとる。プーチン氏は会談冒頭「ウクライナ問題に対するあなたのバランスの取れた立場を承知している」とたたえた。

 オルバン氏は「我が国のエネルギー安全保障の基盤はロシアからの(石油・天然ガスの)供給にある。ロシアとのいかなる重要分野の協力でも外圧に屈することはない」と応じた。

 これに先立つ25~27日、プーチン氏は中央アジアのキルギスを訪問し、旧ソ連の6カ国で構成する露主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議に参加した。併せて、加盟各国首脳との個別会談にも臨んだ。

 最終日の27日、プーチン氏は記者団の取材に応じ、ウクライナ問題に関する立場を語った。

 米国が主導し、ウクライナや欧州が修正を求めた和平計画案については「将来の合意の基礎となり得る。米国は我々の立場を考慮に入れているように見える」と言及した。計画案の「最終版」の完成を待って、米側と議論する姿勢を示した。

 一方で、停戦に関しては「ウクライナ軍が(ウクライナ東部ドンバス地方から)撤退すれば停戦する。撤退しなければ武力で実現する」と強硬な立場を述べた。

 ウクライナのゼレンスキー政権が国内の戒厳令を理由に大統領選実施を見送っていることに対して「(政権は)正当な地位を失った」と改めて批判。このため、和平合意はウクライナの現指導部とは結べず、国際社会の主要国などから承認される必要があると主張した。

 中でも、露側が自国領に編入したと主張するウクライナ南部クリミア半島やドンバス地方の領有の国際的な承認は「重要なポイントの一つ」と述べた。

 米側とは、双方の核実験実施の是非や、来年2月に失効する米露間の核軍縮の枠組み「新戦略兵器削減条約」(新START)の更新についても話し合うと語った。【モスクワ真野森作】

毎日新聞

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