日本の「最速」支援にタイ首相が謝意 テントや毛布 11月大洪水で

2025/12/02 18:12 

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 タイ南部で11月に発生した大規模な洪水被害を受け、日本政府は2日、国際協力機構(JICA)を通じてテント150張りや毛布3000枚などの緊急援助物資を提供した。物資を受け取ったタイのアヌティン首相は「他国に先駆けた最も早い支援だ」と述べ、迅速な対応に謝意を示した。

 タイでは11月中旬以降、マレーシアに近い南部の中心都市、ソンクラー県などを中心に豪雨が続き、大規模な洪水被害が発生。約110万世帯、300万人以上が被災したとされ、死者は少なくとも170人に上った。地元メディアによると、現在も同県内では2万人以上が避難所に身を寄せており、電気や水道も復旧の見通しが立たない地域が多いという。

 タイ首相府での供与式典に出席したJICAタイ事務所の作道俊介所長は「タイと日本の強い両国関係の中で、いち早く要請があり、できる限り早い支援が実現できた」と語った。

 アジアでは11月下旬ごろから、豪雨による被害が相次いでいる。ロイター通信などによると、インドネシア西部スマトラ島では600人以上が死亡し、依然として400人以上が行方不明となっている。スリランカでも豪雨被害で390人が死亡、300人超が行方不明となった。タイを含む各国の死者数は、先月以降で1000人を超えている。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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