「闇バイト」求人投稿、AIで検知・削除 政府が緊急対策決定

2023/03/17 17:08 

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 全国で相次いだ広域強盗事件を受け、政府は17日、犯罪対策閣僚会議を開き、ネット交流サービス(SNS)で強盗や特殊詐欺の実行役を募集する「闇バイト」の緊急対策を決めた。人工知能(AI)を使って効率的に投稿を検知し、削除を進めることなどが柱。SNSに加え、特殊詐欺グループが現金などを受け取る「受け子」らを求人サイトを通じて集めるケースも増えているとして、サイト運営事業者に対策の強化を求めることも盛り込んだ。

 広域強盗事件では、実行役の多くが「闇バイト」で集められていた。

 緊急対策では、SNS上の「闇バイト」募集の投稿を効率的に把握・削除するため、自動検索するAIを活用したサイバーパトロールを進める。

 また、警察庁によると、東京や愛知、福岡など7都県警が今年1月までの約1年間に特殊詐欺事件に関与したとして逮捕した容疑者のうち、大手の求人サイトを通じて「受け子」などに応募していた疑いがあるのは男女合わせて38人いたことが判明した。容疑者グループは、架空の会社名などを使い、サイト側の審査を通過していたとみられる。

 そのため、求人サイト運営事業者や業界団体に対し、違法・有害な求人情報の掲載を防止する措置を講じるよう促す。

 このほか、犯罪者グループに個人情報を提供する悪質な「名簿屋」などの取り締まりを強化。宅配事業者を装って住宅に押し入る手口への対策として玄関先に荷物を置いてもらう「置き配」の推奨や、高齢者の自宅の電話番号の変更支援なども盛り込まれた。【松本惇】

毎日新聞

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