少子化対策 首相、働き方改革重視へ軌道修正 財源確保めど立たず

2023/03/17 20:10 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 岸田文雄首相が17日の記者会見で、少子化対策の一環として育休支援策を打ち出した。年頭の記者会見で「異次元の少子化対策」を掲げた首相だったが、目玉政策に据えた児童手当の拡充が財源確保策に行き詰まり、男性の育児参加を目的とした働き方改革に軸足を移した。異次元の少子化対策を事実上、軌道修正したような形となった。

 政府はこれまで、少子化対策の柱として、①児童手当など経済的支援の強化②子育て家庭へのサービス拡充③働き方改革の推進――の三つの方向性を示し、児童手当の拡充を筆頭に掲げた。ただ、自民党や公明党が中学3年生までとなっている支給年齢の引き上げや所得制限の撤廃、多子世帯への加算を求めるなど、さまざまな意見が相次いだ。全ての要望に応えると年間で兆円単位の予算が必要となる上、首相が消費税など「増税」を封印したため、財源確保のめどが立っていない。

 行き詰まった首相官邸が目を付けたのが、男性の育児参加を促進するなどの「働き方改革」へのシフトチェンジだ。2月上旬から小倉将信こども政策担当相は有識者にヒアリングを実施し、育休を取得した社員の同僚に最大10万円を支給する制度を導入する「三井住友海上火災保険」(東京都)も急きょ視察した。小倉氏は視察後、記者団に「いただいたアイデアを政府の中でも消化し、議論につなげたい」とアピールした。

 実際、児童手当を拡充するよりも、男性の育休参加を促したほうが少子化対策に効果的との海外データもある。首相周辺は「若年層の所得向上や男性の育児参加、女性の非正規問題など大きな社会経済対策が必要だ。議論をシフトしないといけない」と明かした。【石田奈津子、奥山はるな、菊池陽南子】

毎日新聞

政治

政治一覧>