総務会長に鈴木財務相、外相に岩屋氏 石破新政権の顔ぶれ固まる

2024/09/29 22:05 

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 自民党の石破茂総裁は29日、党総務会長に鈴木俊一財務相を充てる方針を固めた。閣僚人事では、岩屋毅元防衛相を外相に、加藤勝信元官房長官を財務相に起用。阿部俊子副文部科学相を文科相、福岡資麿党参院政審会長を厚生労働相として初入閣させる。初入閣は13人で、石破内閣の閣僚の陣容が固まった。

 石破氏は30日に新しい党執行部を発足させる。石破氏は当初、総裁選で決選投票を戦った高市早苗経済安全保障担当相に総務会長を打診したが、高市氏は固辞していた。鈴木氏は、総裁選で高市氏支持に回った麻生太郎副総裁が率いる麻生派の重鎮で、麻生氏の義弟。総務会長経験もあり、党運営や政権基盤を安定させる狙いがあるとみられる。

 石破氏と良好な関係にある菅義偉前首相は副総裁に起用する。鈴木氏以外の党四役は、幹事長に森山裕総務会長、選対委員長に小泉進次郎元環境相、政調会長に小野寺五典元防衛相の起用が内定している。

 森山氏は29日、東京都内で麻生氏と約20分間会談した。麻生氏は党最高顧問に就くことを受け入れた。

 党国対委員長には坂本哲志農相、組織運動本部長には小渕優子選対委員長をそれぞれ充てる。幹事長代行には福田達夫元総務会長が内定した。

 1日に発足させる新内閣の閣僚人事ではこのほか、村上誠一郎元行政改革担当相を総務相、中谷元・元防衛相を防衛相、武藤容治元副経済産業相を経産相、牧原秀樹元副経産相を法相、小里泰弘首相補佐官を農相、浅尾慶一郎参院議院運営委員長を環境相で起用する。総裁選で石破陣営を支えた赤沢亮正副財務相を経済再生担当相に充てる。城内実元副外相を経済安保担当相、伊東良孝元副農相を地方創生兼沖縄・北方担当相、伊藤忠彦元副環境相を復興相にそれぞれ起用する。坂井学元官房副長官は国家公安委員長、平将明党広報本部長代理はデジタル相、三原じゅん子元副厚労相はこども政策担当相とする方向で調整している。

 政務の官房副長官には橘慶一郎元副復興相と青木一彦元副国土交通相を、事務の官房副長官には佐藤文俊・元総務事務次官を充てる。政務の首相秘書官には槌道明宏・元防衛審議官と、石破氏の政策秘書を務める吉村麻央氏を起用する。

 石破氏は総裁選を争った8候補について「それぞれ最もふさわしい役職をお願いする」との立場をとる。これまでに林芳正官房長官の続投や、加藤、小泉両氏の要職起用が内定した。石破氏は29日のNHK番組で、林氏の起用に関し「岸田政権を基本的に引き継ぐ。そういう意味ではそういう方に官房長官として座っていただくのは当然だ」と語った。

 一方、党関係者によると、石破氏は小林鷹之前経済安保担当相に党広報本部長を打診したが、小林氏は「選挙で支えてくれた仲間たちが(人事で)生かされることを望む」として辞退したという。【川口峻、高橋祐貴、野間口陽】

毎日新聞

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