旧安倍派会計責任者の聴取始まる 裏金事件、還流再開の経緯が焦点

2025/02/27 08:04 

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 自民党派閥政治資金パーティー裏金事件を巡り、衆院予算委員会の安住淳委員長と与野党理事は27日午前、東京都内のホテルで、旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏から参考人聴取を始めた。事件では、旧安倍派から所属議員へのキックバック(還流)が再開された経緯について松本氏と幹部らの説明が食い違っており、経緯が解明されるかが焦点となる。

 衆院予算委は1月30日、野党の賛成多数で松本氏の参考人招致を議決。予算委への出頭を要請したが松本氏は応じず、非公開の場で理事らが聴取する形で折り合った。聴取後、安住氏が記者団に概要を説明する。

 旧安倍派では2022年4月、当時会長だった安倍晋三元首相がパーティー券販売ノルマの超過分について還流中止を指示。しかし、安倍氏は同年7月に銃撃されて死亡した。

 松本氏は自らの公判で、同年7月末に「幹部議員から『ある議員が還付(還流)の復活を求めている』と言われた」とし、当時会長代理だった塩谷立元文部科学相に相談したと説明。翌8月、塩谷氏と下村博文元文科相、西村康稔元経済産業相、世耕弘成前党参院幹事長の計4人が協議し、還流復活について「やむなしという結論に至った」と振り返った。

 しかし、衆参両院の政治倫理審査会では下村、西村、世耕の3氏が8月の協議について「結論が出なかった」と主張。塩谷氏は「しょうがないかなとなった」と発言するなど、関係者の見解が食い違っていた。【池田直】

毎日新聞

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