金融所得の把握徹底を検討 医療・介護保険料に反映へ 政府・与党

2025/11/12 20:10 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 政府・与党は、医療や介護保険の保険料の算定で、株式の配当など金融所得について把握を徹底し、反映させる方向で検討に入った。現役世代の保険料負担が増す中、株式の配当などで支払い能力がある高齢者の負担を見直す狙いがある。

 自民党と日本維新の会は連立政権合意書などで、「金融所得の反映など応能負担の徹底」と明記。12日に社会保障制度改革に向けた実務者協議の初会合を開き、議論を本格化させた。同様に合意書にある市販薬と効能や成分が似ている「OTC類似薬」の保険適用見直しとともに、年内に一定の結論を出す方向性を確認した。

 国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度、会社員と公務員を除く介護保険では、市区町村が把握する課税所得を基に保険料を算定している。金融所得は確定申告をしなければ保険料に反映されず、同じ所得でも保険料に差が生じている。

 申告の有無で保険料が異なるのは不公平、との指摘は以前からあり、2023年に閣議決定した「社会保障の改革工程」では、28年度までにこうした保険料負担の不公平の是正を検討するとされている。

 課題は、どのように金融所得を把握するかだ。金融機関が国税庁に提出する情報の活用を軸に、今後検討を続けるという。少額投資非課税制度(NISA)などの非課税所得制度は対象外とする見通し。【宇多川はるか、肥沼直寛】

毎日新聞

政治

政治一覧>

写真ニュース